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依頼者探し


「おや、今日は川崎さんは来ないのかい?」

「はい、なんでも今日からテスト勉強に集中するため来れないらしいです。」

「ほほう、それは感心だね。この部はその辺は緩いから好きにしてくれて構わないさ」


放課後、部室に行き、水瀬先輩に陽葵さんが来ないことを伝える。

他の部員は皆いなかったので、おそらく既に活動しているのだろう。

ちなみに、ここに来る前に顧問の先生に入部届を提出してきたので、僕はもう正式な部員となった訳だ。


「先輩、どうすれば他の部に助っ人に行けるのでしょうか?」

「そうだね、その部の部員に直接頼まれたり、依頼なんかを紙やメールでもらえばその時点で助っ人に行くことは可能になるよ。謳歌から聞いたけど、君は運動が得意らしいじゃないか。どこかの運動部に助っ人が頼まれるかもしれないね?」


先輩は僕が運動出来ることに疑問を感じているのか、少し半信半疑といった感じでそう答える。


「う~ん、じゃあ少し学校回ってきますね。何か頼まれるかもしれないですから」

「ああ、そうするといいさ」


部室を出ると、とりあえず校舎の中に入っていく。

今回のねらいは運動部以外の部活だ。

僕は様々な人と交流したいので、運動だけしかできないなどとは思われたくない。

まあ、その点僕のクラスメイトは先生が入試の成績を暴露したので大丈夫だろうと思うが。


「よいしょっ、よいしょっ」


校舎を歩いていると何やら可愛い声が聞こえてくる。

顔をそちらに向けると、顔が見えないほどの大量のプリントを抱えた女生徒が階段を降りようとしていた。

たどたどしい足取りで今にも落ちてしまいそうだ。


「あっ!」


予想通りその女生徒は足を踏み外し、階段を落ちそうになる。


少女はぎゅっと目をつむり衝撃に耐えようとするが、何時までたっても痛みが来ない。

不思議に思い恐る恐ると目をゆっくりと開くと、


「大丈夫ですか?」


そこには自分を優しく抱え、書類の束を片手で持ち上げている男子生徒がいた。




 ◇




「あの、大丈夫ですか?」


助けた女生徒は、腕の中で何やら目を回してる。


「あわあわあわ」

「どこか打ったりしてませんか?」


見たところ怪我は見当たらないが、何かあるといけない。


「だだだ、大丈夫でしゅ!」


あっ噛んだ。


彼女は恥ずかしかったのか顔を赤くして俯いてしまった。


「プリントを運んでいたようですけど僕も手伝いましょうか?」

「いえいえ、私一人で大丈夫です! 男性の方にそんな事をさせられませんよ。それに重いプリントは持てない・・・訳ではないようですが・・・」


彼女は俺が持っているプリントをみて言葉を改める。


そんなに男は頼りないと思われているのか。


「一人じゃきつそうですのでやっぱり持ちますよ」

「でも・・・」


彼女は難しい顔をするが、最終的に“おねがいします”といって頭を下げた。


「当然のことですので頭を下げなくていいですよ」


と言うとプリントを少し彼女に分ける。


「あの・・・少なすぎるのですけど」

「ん? それぐらいがいいと思うのですが」

「いや、貴方の方が明らかに多いじゃないですか!」


僕は男で彼女は女性なのだから当然だろう。

これは別に差別とかではなく筋肉の質によるものだからどうしようもない。


“持ちます!”という彼女の言葉を笑って受け流す。

あまりにも僕が渡そうとしないので、ようやく諦めたのか彼女はため息を吐くと、“ついてきてください”といって歩き始める。


「どこに向かっているのですか?」

「生徒会室です。この書類は行事を進行するうえで必要になるものなのですよ」


生徒会か・・・

一体どんな活動をしているのだろうか。

イメージとしては、パソコンで書類を作って、いろんな場所に挨拶回りに行く軽い会社員のようなものだと思っているのだが。


渡り廊下を通って別棟に向かう。

そこの2階に生徒会室があり、たどり着くと軽くノックをしてドアを開く。


「おや、真理もう帰ってきたのですか? あら? 隣の彼はどなたでしょう?」

「男!?」


パソコンのキーを高速で叩きながらこちらを見つめる女生と、その近くで書類を漁っているボーイッシュな髪をした女性が一人いた。


「あ、はい。書類の運びを手伝ってもらいまして・・・」

「あらそうなの! それじゃあお茶でも出そうかしら。ちなみに私はこの学校の生徒会長です、これからよろしくお願いしますね」

「わざわざ御茶なんて出さなくても大丈夫ですよ。自分はすぐに帰りますので。」

「あら、それは残念。」


会長さんは本当に残念そうにそう言うと席を立ってこちらに近づいてくる。


「お菓子もあるのでまた是非遊びに来てくださいね。」

「迷惑になるのでは?」

「男の子がいるとこちらもやる気が出るので全然大丈夫です!」


隣の一緒にプリントを運んだ女生徒も同意見なのかうんうんと頷いている。


「じゃあ、その時はぜひ。ああ、あと僕は助っ人部に入っているので、忙しかったら呼んでください。」

「まあ、そうですの! では近いうちに何か頼むかもしれないわ」


その後少し喋った後、プリントを置いて部室へと帰った。

生徒会の手伝いはどんなことをするのだろうか。少し楽しみだ。



ちょいと混乱してきたので、他作品書きながら頭冷やしてきます。

ラブコメとは・・・(哲学)

よければ他作品の方も見ていただけると嬉しいです。

https://ncode.syosetu.com/n6915gd/

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[良い点] 面白いです(^^ゞ [一言] 再開を切に願っております(_ _)
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