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相談

 僕は今、今後どうするか決めるため家族である母と妹をリビングに集めている。


 「どうしたの尚人君?」

 「何か困ってるのお兄ちゃん?」


 机の向かい側で全く年齢を感じさせない不思議生物と可愛らしいツインテールをした我が愛しの妹――彩華が首をもたげて僕に尋ねる。


 「来年だけど、高校に入学したいんだ」


 僕がそう言うと母と妹はまるで世界の終わりでも宣告されたかのように絶叫する。


 「ダメーーーー!!! そんなことしたら尚人君がピーされてピーされちゃうわ!」


 「そうだよお兄ちゃん! お兄ちゃんが外に出たらそれだけでいろんな女の子に囲まれてピーされちゃうよ!」


 ※二人は混乱しているので多少言葉が下品になっております。


 「いやいやそんなことされる訳無いでしょ! ちょっと落ち着いて!」


 僕は混乱して淑女にあるまじき淫語を連発している二人を落ち着けようと二人の手を握る。二人は薄らと頬を染めるとすごすごと椅子に座り直す。


 「そ、そうね。最悪無理矢理押し倒されてキスされるぐらいだったかもしれないわね」


 「そ、そうだね。お兄ちゃんの魅力にやられて数百人が気絶する程度かもしれないね」


 この二人は一体何を言っているんだ・・・

 過保護すぎるのも少し考えすぎかもしれない。


 「いや、そんなことにはならないと思うけど。それよりも高校について何だけど、これから生きていくうえでも世界を知るという意味でも通った方がいいと思うんだ。」


 「そんなこときにしなくていいのよ?」


 「そうだよ! 私が養うから気にしないで!」


 妹に養うと言わせてしまう兄・・・自分が情けなくて泣けてくる。


 「僕は自立したいんだ。いつまでも家族に甘えていたら僕が僕でなくなってしまう。そうならないためにもまず学校に行きたいんだ」


 ありったけの思いを込めてそう訴えかける。


 「う~んでもねぇ」


 母さんの困った表情に何か重大な理由があるのかと考える。


 「何かまずいことでもあるの?」


 「そうねえ・・・確かに男の子でも学校に通っている子はいるわ。でもね、大抵の子は自分が特別な子だと思ってとても増長してしまうの・・・尚人君はとっても優しい子だからそうなってしまうのが怖いのよ・・・」


 「うん。私の学校にも男の子がいるけどすっごく威張ってて皆困ってるよ・・・」


 なるほど、この極端に女性に偏った世界では男性の存在はそれだけ重要であるということだろう。しかし、僕に至ってはそれは杞憂であると断言できる。


 「大丈夫だよ。僕は一人で生きていけるなんて到底思えないし、こんなに優しい家族を知っているんだ・・・他の人に横暴な態度なんてやろうと思っても出来ないさ。」


 そう言って二人を抱きしめる。二人は顔を真っ赤にしてあわあわするとコホンと一つ咳払いして居住まいを正す。


 「そ、そこまで言うならしょうがありませんね。分かったわ必要な書類はこちらで用意しておくから今から頑張って勉強しましょうか」


 「分からないことがあったら聞いてね! こう見えても中学の中じゃ一桁からおちたことないんだよ!」


 承諾してくれた母に感謝し胸を張って得意げな妹殿の頭を優しくなでる。


 「ありがとう、でも大丈夫だよ。実は前からちょいちょい勉強してたんだ。」


 全くの嘘であるが前世の記憶があるのでその点は大丈夫だろうと思える。


 「まあそうなの? 全く気づかなかったわ!」


 「ちぇっ、折角お兄ちゃんと一緒に勉強できるとおもったのになあ」


 本当にこの妹は可愛いなあ。

 前世では一人っ子だったから兄弟がいる友達を多少羨ましいと思っていたがまさかこんなに愛おしい存在だとは。


 そしてそんな子に養うと言わせてしまった俺・・・かはっ!

 思わず吐血してしまった(幻覚)。

 しかし、僕は変わるのだ!

 一人前の男になってこの甘甘な家族に自立できるんだと認めさせてやる!


 その為にまず体を鍛えよう。今の僕は少しナヨナヨしていてもやしみたいだからな・・・

 しかし鍛えているところを母さんに見つかれば絶叫されそうだしかなり難しいミッションである。しかも家から出る事はダメっぽいから室内に限定される。まあ、それでも効果的な運動は多数存在しているので大丈夫だろう。


 試験がいつになるかは分からないが時間というのはあっという間に過ぎるものだ。

 その為の準備は怠らないようにしよう。


 僕は来たるべき学園生活(まだ未定)の事を考えると自然と口の端が上がるのが分かった。


人気の度合いで更新頻度を変えます。

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