プロローグ 遺跡発見
関東ローム層の遙か下にある地層から超古代の遺跡が発見されてことによる人類の歴史を覆す物語が始まる。
発見.
防衛省の対核兵器用地下基地建設のため、重機による掘削を行っている時、地下200メートルの岩盤にショベルカーの爪を立てた途端にいやな音を立てて爪がへし折れた。オペレーターが怒鳴った「くそう、いったい何を引っかけたんだ。」たいていの岩なら砕いてしまう合金製の爪がバケットの先端から数本折れていた。
「監督、何か固い物に引っかかってショベルの刃が折れ止まったんだが見に来てくれないか」エンジンを止めるとオペレーターは、携帯電話で現場監督を呼び出した。「何だって、刃が折れてりすると交換費用がかさんでしまう。今行くから折れ爪爪を見つけておいてくれ。」折れた爪を見つけるため運転席から降りて掘っていた穴の中をのぞいた。そしてそこにあった物を見て叫んだ「なんだこれは、光っているぞ」。穴の中からは、ショベルでひっかいた痕の通りに赤い光が漏れていた。事前の地質調査ではローム層下にある岩盤はよくある砂礫層でとくに変わった地層はなかったはずであった。「変な物を見つけちまった」とオペレーターが騒いでいると。やってきた監督は最初は一体何を騒いでいるのかといぶかっていたが、オペレーターが指し示す部分の岩盤の赤い光を見ると「作業中止、全員待避所に入れ」と大声で指示を出してどこかに連絡を取りに走って行ってしまった。暫くして今日の作業は中止となり次の作業開始時期については未定なので追って連絡があるまで自宅待機と監督から作業員全員に連絡があった。
翌日の午後になって防衛省は地下から見つかった謎の物質について古代の遺跡の可能性があると判断して文部科学省に調査を依頼した。防衛省からの依頼に対して三日と言う予めから予想していたかのようにきわめて短時間で招集された調査隊の面々は、掘削現場を見て全く面食らっていた「これは何で出来ているんだ。全く分からない。赤く光っているが金や銅のように反射光が赤い訳ではないようだ。だいたいこの地層は6万年前の物だぞ。そんな時期の日本に人間がいるはずがないではないか。しかも遺跡を作る文明すらない時代に。」それは、岩とも金属とも分からない光沢をした物質で、内部から赤い光を放っていた。しかし調査開始するまで周りをカバーで覆って暗くしていたときには、その光が消えていたのだ。カバーをどけてライトで照らすと赤く光り出したのだ。つまり、周りの光を受けて赤く光っていたのである。しかし光を反射して光っている訳ではなかった。周りが明るいときだけ、自ら赤く光を発しているのだった。地質調査を行うために呼ばれた地下基地開発部門の担当者は、その表面をなでながらショベルの爪で引っ掻いたにもかかわらず全く傷が付いていないこと気がついて全く経験したことのない物質でお手上げ状態となった。「まずは、この物質が地下のどこまで広がっているのか詳しく地質調査をする必要があると思うが。」と言う意見が出て地中レーダーによる調査が行われることになった。
文化的遺跡の可能性があるため、念入りに地中レーダーによる調査が、始まって、それが巨大な地下遺跡であることが、判明したのは半年後であった。そして周辺を含め一帯が、国によって立ち入り禁止地帯となったのであった。
調査.
武蔵野市の近くにある大規模開発地区、その中央の地下深くに地下基地建設予定地がある。ここでは新しく発見された古代の遺跡を発掘調査を行っていた。元々、この場所は、防衛省の対核攻撃用地下基地を作るために地盤改良を行っていたのでが、地下を掘削していたときに古代の遺跡があることがわかり、地下基地を作る前に遺跡を調査することになったのである。
地下の深くでは、古代の遺跡としては、あり得ない様な物が目の前に現れていた。政府から依頼されて派遣された古代史を専門とする研究者グループの前にあるのは、重厚な赤く光る扉である。周りの土砂は、すでにきれいに取り払われているが、後方にはむき出しの岩盤が見えている。
研究者の一人が、扉の表面を触りながら大声を上げて驚いていた。「全く腐食していないぞ、この物質は何だ。」もう一人がそばにやってきてそばに置いた装置を扉に押し当てる表示される数値を見ていたが顔を上げて振り返ると「なんてことだ、装置のデータがあり得ない数値を出していて材質が全く分からん。」更にもう一人が先ほどから扉と思われる一部に刻まれた刻印を調べていたが、なにやらつぶやいていた、「古代ヘブライ語に似ている。内容が全く分からない。」更にもう一人が扉の周囲や表面を隈無く見ていたが、飾りと思われる部分に取っ手があるのを見つけた「これは何かのカバーではないのか。」と言って引っ張ってみたところ取っての周りの飾りが外れて小さな棒のような出っ張りと周りに刻みのある丸いヘコみが現われた。出っ張りと凹みの周りには細い切れ込みがあっていかにも動かすように作られていたがいくら動かそうとしても全く動かずびくともしなかった為、さらなる専門家の投入を待つこととなった。
鍵.
追加された専門家たちは、最新の機械や通信技術の専門家であり、大学や技術部門の教授や有名企業のトップ技術者であった。
地下遺跡を外部から隈無く調べた結果、周囲はシリコンを多量に含む物質で覆われており扉以外からの侵入は、困難であることがわかった。しかし扉を開こうとしてカバーに下にあった棒を動かそうにもびくともしないことがわかるにつけ、棒を動かすには、鍵となる物が必要だとの認識が新しく調査に加わった者全員の意見であった。
刻みのある丸いヘコみ何かをはめ込むことにより棒を動かせるようにできるはずとの意見が大勢を占めたため、丸いヘコみの内部を詳しく調べた結果内部に凹みがありその奥に突起があることが分かったためシリンダー錠の一種であるとの見解で多くの者の意見が一致した。
ダンジョン.
調査隊長が怒鳴った「気をつけろ罠があるかもしれない。」古代の遺跡には、人の侵入を防ぐための数々の罠があるのが今までの遺跡調査からの常識である。簡単な落とし穴から、足で踏みつけると上から大きな石が降ってくるブービートラップのたぐいまで色々である。
鍵を複製して棒に押し込むと奥の扉が開き、その奥に更に通路が現われた。通路には照明器具と思われる半透明な出っ張りが左右に等間隔で並んでいた。
通路は奥深く照明で照らしても先の方は暗くて何も見えなかった。
現在執筆中なので途中で、ストーリーが変更になることもありますのでご了承ください。