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謀り

作者: 甘楽

歳を重ねる毎に上がる幸せのハードル

小さな愛なんて何時の間にか見えなくなって


君の指先に光る星々に心を揺られて

酸化した夢から醒めたくて頬を抓る

日々朱い鉄塔に支配された都市で空を仰ぐ

舞台の上でのた打ち回る様に醜態を晒して

それでも僕らは精一杯あの時を生きたのさ


此れはさよならだけれど苦しみで愛だった


珊瑚の上で音に合わせて踊ろうか

共依存の成り果ての暗い暗い世界

生憎の雨が濡らす未来で叫ぼうか

感受性の朽ち果てた淡い淡い静寂

停滞の先の君の為に彼を殺そうか

正義感の最も豊かな重い重い分岐


憐れなくらいに募ってしまった罪悪感と

長方形の媒体に縛られていった非日常が

廻り廻って自分自身を塵みたいに纏めて

鈎括弧に囲まれて相違を偽りに沈んだの


誠を誠として言葉で伝える勇気

胸元を見て尋ねてみても答えるのは自身だけ

意図なき他意に支配される葛藤

脳内を操る君の声が渦巻いてしまい手遅れだ

過度な羞恥の礎に呪われる自尊

辱めを受けている四肢に精神を融合させたの

固く平伏した精神の交合う欺瞞

言葉だけで快楽を味わっても虚しさが巡った


誠心誠意の夕暮れの嘆きに投げた硬貨

都会の綺羅びやかな町に沈んで

極悪非道な君の嘘を揉み消して

感受の先にあった景観を追って


君が恋なんて騒ぐからいけないんだ

僕の心臓が揺らめいて仕舞うんだよ

君に花を渡す為だけに空を仰いでも

僕は秘密を捨てれる訳では無いんだ


そうさ僕は君とは共には居られないのだ


「貴方は知らないかも知れませんが」

取り敢えずこんな前置きを置いて

甘い劣等を此処に晒していこうか

近い将来君が知らないと云う罪に苦しまぬ為に

夏が来る度に僕の幻影を瞼に描いてと祈ってさ


ポンデリングのその先にあるものは

夢と希望とアンパンマンの欠片だけ

ドアの向こうから啜り泣く声が響く

涼しくなった太陽の色が妙に染みた

階段伝いに歩いた運命の線路の上では

君と僕は飽く迄等しい関係だったのに

今では先の見えない愉悦に狂わされた

傀儡人形極めてて失笑も耐えないのさ

一頁づゝ進んでいく日記を縁取った愛

私の想いだけ乗せて回って行って頂戴


最後の時を君と過ごせたのなら

後悔の人生を曖眛に誤魔化せたのだろうか

自由なサロメと人間たちの夢が

ぐちゃぐちゃに混じり合って殴り合うんだ

そうして奏でた偽善の現実達が

さよならだけが人生だなんて戯言を蹴飛ばした

期待値を全て掛けた君の眼球に

改札の向こう側で応答のないレコーダが響いた


間接照明が妙に煩い舞台の上方で

虚しく死せる想いだけ語り継いで

最低で最高な結末に祝福を述べようか

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