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ろば耳  作者: 楠木あいら
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男のプライドを懸けた戦い1

 という事でバトルとなった。


「そう言えば、アルモニー内のバトルは凄いとか言ってたな」

『お客様、バトルならインフォメーションがオススメですよ』


 俺らにトコトコと近づいて提案してきたのは、ゲームセンターのロゴが入った腕章する魔法生物。店員のサイズも1メートルしかないのでしゃがんでいた俺らの視線とあまり変わらない。

 振り返った先に店員の顔があったので少々驚いたが……




 と言うわけでインフォメーションセンターがどこにあるのか店員に聞いてから、向かうことにした。

 小さな魔法生物はアルモニー内の至る所にいた。アクセサリーを身につけてたり、店のロゴが入った袋をさげていたり、更に小さな子供魔法生物が走ったりと、ショッピングを楽しんでいるように動いていた。

 アルモニー内は人間サイズなのでカウンターにいなければならない店員は見えないからどうしているのだろうかと気になっていたが、支障はないようだ。


『いらっしゃいませ。ようこそアルモニーへ』


 インフォメーションセンターに着くと制服姿の店員が見えた。中をのぞかせてみると、脚立がある。


「ここのバトルがオススメって聞いたんですが」

『バトルですね、お任せください』


 魔法生物はスマイルで答えると、何かを取り出す仕草をした。と、小さなモコモコした手から30センチほどの白い立方体が現れる。


『バトルは、3人様ですか?』

「いや、俺はやらない。こいつら|(理央と吹田を指さして)バトルで決着をつけるから」

『ではsikama様とarata様。バトル開始の合図として握手をして下さい』


 言われるまま、握手をすると……吹田に触れた側の手首がぱぁっと光り『Battle vs arata』の文字がスクロールし続ける電子ブレスレットがとりついていた。


『じゃんけんして勝った方が、こちらの箱から1個、ボールを取って下さい』


 じゃんけんして勝ったので、箱に手を突っ込むと指先に幾つかの丸い感触がした。指先に触れたのをつかみ上げると、オレンジ色のピンポン球が現れて、文字が書かれていた。


「借り物競走……」

『借り物競走ですね。では、ルールを説明させていただきます』


 ピョンとカウンターに乗った魔法生物は、インフォメーションセンターの制服から、なぜかサンバイザーに審査係の腕章にマイクを持った格好に変わった。


『ルールはいたってシンプルです。お題にあった物をアルモニー店内から探し、ここに戻ってきてください。

 判定はハヤト様、ご協力してもらえますか?』

「あぁ。もちろん。俺は公平にジャッジするよ」

『ありがとうございます。

 では、マロンさん、オリオンさん、スタンバイよろしく』


 『はぁい』と2人は元気に返事をすると、二頭身に縮み互いの肩に飛び乗った。


『arata様、こちらの箱からお題が書かれているボールを一つ取り出して下さい』


 審査係になった魔法生物はモコモコの手から箱を出現させ、吹田に持っていく。


「お題は『今の自分をレベルアップするために必要なもの』か」


 読み上げた吹田はボールを魔法生物に渡す。再確認した魔法生物は声を張り上げるた。


『では、よろしいですか?

 バトルスタート』


 スタートと言われ、とりあえず走りだした。



『マスター、店内ナビはマロンにお任せです。あと、インフォメーションセンターにいる審査係さんとハヤト様の実況と解説も、マロンから聞こえます』

「実況……」

『はぁい。という事で始まりました。第1回、オリオンの服装はどうする決着。

 実況は私、魔法生物。審査係 兼 解説のハヤト様です』

隼兎「はい、始まりましたね。男の意地がかかった戦い」

魔法生物『なお、この放送。バトル関係者しか、聞こえないのでご安心ください』


 それは良かった。


魔法生物『まずはお二方がどちらかに向かっているのでしょうか、まずはリポーターのマロンさん』

マロン『はぁい、マロンです。

 マスターは今、インフォメーションセンターから西に向かって走っています』

魔法生物『もう、目録をつけているようですか?』

マロン『いえ、マスターから店の検索指示はでていません。とりあえず、走っているだけのようです』


 マロンに考えを言っては良いないが、簡単読まれている。


魔法生物『マロンさん、ありがとうございます。

 次にオリオンさんの方はどうでしょうか?』

オリオン『はい。こちらオリオンです。インフォメーションセンター前のエスカレーターで2階に到着しましたが、3階のエスカレーターに乗りました』

隼兎「エレベーターではなく、動く階段の方?」

オリオン『はい、そうです』

隼兎「まだ、特定の店は決まっていないという感じから、とりあえず上がってみようという感じ?」

オリオン『こちらも あらた から店検索の依頼はありません』

魔法生物『ありがとうございます。さて、ハヤト様……』


 実況は続いているようだが、バトルに集中するため、音量をさげてもらい、足を止めた。

 さて、どうする?

 お題は今の自分をレベルアップするために必要なもの……

 俺がレベルアップするために必要なもの……頭脳か?

 この間の日本史、最悪だったなぁ……という事は本屋で問題集か?

 いや、レベルアップといえば、スポーツとかじゃあないのか? 運動神経が良いわけじゃない。

 それより、服装、もうちょっと格好良く着こなせないかなぁ


「…………」



マロン『こちら、マロンです。マスター、レベルアップする物が多くて、orz状態中になるほど凹んでいます』

理央「こら、マロン。報告するな」

隼兎「飾磨、八つ当たりはいかんよ」


 はあ、とため息をついていると近づいてくる足が見えた。


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