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プロローグ
時間とは、記憶そのもの。人の記憶無しに時間は存在出来ないし、人の時間無しに記憶は存在出来ない。
連動している。
それが、時間。
そんなもの忘れたくなるほど、私達は長い時間生きている。時間なんてのは、過ぎ去っていくものだろう。過ぎ去ったものに縋り、助けを乞うなんて行為は、こちらからみたら滑稽にしか映らない。だけど、私達は与えなければならない。
彼らに、時間を。
だけど、私達は与えなければならない。
彼らに、希望を。
時計屋は、そのために存在しているのだから。