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4話

お気に入り登録有難うございます!ゆっくり進行ですがお付き合いいただけると幸いです。

 黒髪美人さんは、ベッドに座る私に対してわざわざ屈んで目線を合わせて話しかけてくれました。


 美人どあっぷ。


 その笑顔が眩しいったら眩しい!直視できませーん。


『あれ?僕の言葉、発音おかしいかな?』


 困ったようにちょっと首を傾げる美人さん。

 あ。目元に小さなほくろを発見!泣きぼくろとか色っぽい~。

 思わずうっとりと見つめてしまっていたけれど、そういえば話しかけられていたのだった。


 美形には耐性付きそうにないですね。インパクト強すぎて。


『大丈夫』


 ふるふると首を振りながら私が慌てて答えると、美人さんはほっとしたように微笑んだ。


『よかった。一応ちゃんと学んではいたけれど、実際にこうして活用する日が来るとは思っていなかったから』


 かなり流暢な日本語(?)で話す美人さん。謙遜なさらずともとてもお上手ですとも!


『はい。言葉が通じてよかったです』


 にこりと笑いかけて来た美人さんに、私も笑顔で応えた。てっきり言葉が通じなくて、最悪意思表示は身振り手振りで示すしか無いかもと思っていただけに一安心だ。

 ちら、と隣で黙ったまま離れた位置からこちらを伺うタレ目君に視線を向けた。


『ああ。すみません、彼は話せないのです。現在はネヴィ語が一般的ですので…。なので、複数の言語を学んでおりました私が参りました。私のような者と会話するのは不快かもしれませんが、どうぞご辛抱下さい』

『え?あの、えーと……』


 なんだかえらく美人さんは己を卑下しているように聞こえるのですけども。もしや言葉のニュアンスが違うのだろうか?

 にしてもこの美人さん、有能なんですね。普段使わない言語を習得しているだなんて。学者さんとか?

 でも、そうかぁ。どうやらこの日本語(?)はあまり一般的ではないらしい。

 まぁ、確かにタレ目君みたいな金髪のイケメンがすらすらと日本語で話しているのを想像するとわからなくもないかな。

 

 そのタレ目君はこちらの視線に気がつくと、パッと目をそらしてあらぬ方向を向いていますけどねー。


(なんだろ。さっきのお風呂場の件がそんなに恥ずかしかったのかな?)


 分からなくは無いけど。

 何度も言うけど、目の前に美形の美しい肢体があれば眺めるのが当然です!乙女の嗜みですね!!


 それはそうと。


『あなたはどうして話せるんですか?』

『あぁ、それはですね。色々な知識を得るのが私の趣味で御座いまして』

『なるほどー』


 勉強大好きだなんて、私には真似できませんねー。しませんけど。

 とにかく、言葉が通じる相手がいてよかった。彼から私のこの不思議な状況などの説明を聞けるかもしれない。

 それよりもまずは、だ。


『先程は助けて頂いてありがとうございました』


 ベッドから今度は落ちないようにゆっくりと降り、離れた場所に居たタレ目君に近づいてから頭をぺこりと下げた。

 色々びっくりなことが多すぎて頭がうまく回ってはいないけど、私は先ほどお風呂場で溺れて助けてもらった所でした。

 その命の恩人であるこのタレ目君に対してキチンとお礼はしなくてはならない。私が何故その場にいたのかはまた別問題だと思うし。助けられたのは事実だもんね。


 ……?


 ……反応がない?


 私は不思議に思ってそっと頭を起こしてから、ちらりとタレ目君の顔を伺ってみる。


 その顔は、ポカーンとしているように見えた。

 まるで思っても見ない行動されてしまったとでも言うような。


(お礼、通じてないのかな?)


 言葉が通じないのは仕方がないとして、感謝のお辞儀ももしかしたら通じてないのかも?

 不安になり、未だ屈みこんだままこちらの行動を見守っていた黒髪美人さんを伺う。

 彼も大きく衝撃を受けたという顔をしていたものの、こちらの視線に気づいてやさしく微笑んで頷いてくれた。そして未だぽかんと口を開けたままのタレ目君に話しかけている。


「ジェ*・。~~~lto・・=~」

「………」

「~~~zgi@*\-?」

「*-/9」

「~~」


 何度か言葉をやり取りした後、タレ目君は黒髪美人さんにコクリと頷いたように思える。

 ちなみにこのやり取り。私にはさっぱりわかりません。ホニャホニャララ~て感じ。早口だし音の流れとしか……。何の話してるのかな。


 そして真剣な表情でこちらを振り返り、見詰めてくるタレ目君。

 

 ……お礼が伝わったのかな?



 ほっと笑いかけてまた感謝を示そうと再び頭を下げかけた所で―――

 彼は何を思ったか、私が頭を下げるより早くすっと体勢を低くして――――――――――私の足元に跪いた。



 その後は流れる動作で、そうすることがまるで自然であるかのように私の手を掬い取ると、その甲に軽く音を立ててキスをしたのでした。

次回やっと名前が……出るとイイナー。

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