表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/20

3話


 鏡の前の少女は多分5~6歳くらい?に見える。ふっくらツヤツヤで柔らかい腕。これぞもち肌ですね!!

 体は自分の意識では大人な私の感覚からしたら短い。

 この少女は見たまんま子供だから当たり前に全体的に小さいんだけど、子供にしては腰の位置が高いような?……全体的に小さくて短いんだから足の長さとかそうわからないよね!そういうことにしておこう……。


 この周りのもの全てを見上げる視界は少し新鮮ではある。ただし見上げすぎると首は痛い。


『うーん……』


 忘れてしまっている私の名前。元いたであろう場所。

 ただ私の記憶にあるのはお風呂に入っていたこと。そのこと以外を思い出そうとすると、ぼんやりと霞がかかったように記憶がおぼろげだ。

 けれど、これは覚えている!

 

 私は、多分、日本人だ。

 いやぁ。それ以外の個人的な情報は女であるということ以外はさっぱりですけどね!

 多分と付くのも、自分の容姿だとか諸々思い出せないせいです。


 おかしい。イケメンだとか美少女だとかにはすごく何かが刺激されている気がするのだけど……。

 

 うふふ。俗物ですみませんね。

 自分に直接関わらないようなことはなんとなーく覚えているんだけどな……。毎週見ていたテレビドラマを見逃しただとか、お風呂あがりに食べようと思っていたアイスを冷凍庫に残してきちゃったなぁとか。

 すごくどうでもいい事ですねハイ。


 どうせ思い出すならもう少し現状を理解できるような内容がよかったなぁ。

 しかも思い出したらアイス食べたくなってきたし。

 もはや食べることが叶わないであろうアイスを想いつつ、私はふぅと軽く息を吐き出して。


『ま、いいかな』


 何故だろう。本当なら取り乱して色々なことを考えるべきなんだろうけど。今、こうして此処にいることがあまり不思議だとは思わない。

 知らない場所で、自分だとは認識できない姿で、よくわからない状況にも関わらず。なるようになるかなーとか思っている私がいる。

 多分、元々そういう性格だったんだと思うのですよ。

 あまり細かいことを気にせず楽観的で流されやすい感じ。


(ま、深く考えても仕方ないよね。どうしてこうなったのかわからないんだし)


 私は“私“がどういう名前でどういう容姿だったかすら覚えていないしね。

 この少女の姿に違和感を感じては居たけど、落ち着いた今はそんなに悪くもない。私としてはむしろ可愛いしオールオッケー。

 あちらでやり残したことがあるような気がしないでもないけど、覚えてないしどうしようもないと思う。

 

 えっ。それでいいのかって?

 いーのいーの。悩んだってしかたないし疲れるだけですし?


 これまでも、多分自由気ままに生きてきたんだから今更ですのよ~。


 くよくよ考えこんでも仕方ないと思って仕方がないので寝直そうかなとか考えて、若干足の高いベッドによじ登ろうとしていた時。

 この部屋の外だろうか?近くからどうやら足音が聞こえてくる。目的はこの部屋?

 自分がどれだけ寝ていたのかは分からないけれど、もしかしたらさっきのタレ目君かもしれない。

 さっきは身体をガン見してしまって申し訳なかったと思う。


 だが反省はしていない。



 さて、どうしようかな?

 よじ登ったベッドに腰をかけてブラブラしながら考える。

 寝たふりのがいいかしら?でも折角タレ目君が来てくれたとしたら、見ないと損(?)してしまうし……。

 

 悩んだのも束の間。イケメンは眺めてナンボでしょ!てことで足をブラブラさせながらタレ目君(?)が部屋に入ってくるのを待つ事にする。


 思っていた通り、足音は部屋の前で止まったようだ。

 けれど中々部屋の中には入ってくる様子がない。どうしたのだろう?

 乙女の寝室に入るのを遠慮しているとか?

 

 とりあえずじーっとドアを観察。

 すると、音を立てないようにゆっくりと開いていき、伺うようにそっと誰かがこちらに顔を覗かせて―――。


 目が合いました。ばっちり。


 部屋を覗きこんだタレ目君はビクッと体を強張らせ、開けた扉を閉めてしまいました。


(ありゃ。起きているとは思ってなかったのかな?)


 迎えに出るのもどうかと思うので、再び部屋に入ってくるのを待ちます。

 内心は、ヘィ!イケメン君カモン!!とか言ってませんよ?可愛く大人しく待ってるだけですよ?

 

 相変わらず足をブラブラさせながらドアを凝視。極上の獲物……行動は見逃しませんぜ。フフフ。


 待つこと数分。

 ドアの向こう側からはなにやらブツブツと声が聞こえてきますが、一向に入ってくる気配はなく。

 さすがにちょっと、ただの女の子相手に警戒しすぎじゃありやしませんかね?


 相手はか弱い女の子ですよ?待ってる方も疲れるのです。折角気合入れてたのに!

 あんまりにもじれったいので、もうこっちからドアを開けてやろうかとか思っていたら、ドアの向こうで何やら話し声?のようなものが聞こえてきます。もっとも私には何を言ってるか聞き取れませんけどー。どうやらドアの向こうにはタレ目くんの他にもう一名いたご様子。

 

「~~*+?」


 先ほどまでの会話ではなく、どうやらこちらに声をかけているのかな?なんとなくそんな感じがする。

 声をかけたあとは何もリアクションがないことからも、入室の許可を求めているのかなと予想。

 この部屋にお邪魔させて貰ってるのはこちらだし、別に勝手に入ってきても構わないんだけどなー。マナーというものかしら。


『どうぞ?』


 言葉がわからないので、とりあえず自分の言葉で返事をしておく。相手が分かるかまでは知らないケド。

 すると、今度は普通に扉を開けて入って来た。どうやら通じたようで、よかったよかった。


 扉を開けて入ってきたのは、予想通り二人。

 一人はお馴染み、出会い頭に裸の付き合いをしてしまった金髪で鎖骨が美しいタレ目君。後、溺れて気を失う前に見た腹筋がとても素敵だったことも述べておく。


 えっ?そんな状況で何処見てんのかって?もちろん彼の体ですよ?見ないわけないでしょ?当然ですよね??


 と、それは記憶にちゃんと留めてあるからいいとして。

 彼の後に続いて入って来たのは……あら、まぁ……うふふ。


 タレ目君とはまた種類の違うイケメンがーー!!


 長い黒髪を一つにまとめて背中に流して、ゆったりとした衣装を纏った柔和な顔立ちの美人さんです!

 イケメンというよりは美人さん!ニコニコしながら美しい顔でこちらを見つめて、さらにニッコリと。


(はう……ッ!!)


 笑顔が眩しいです。美しいです。拝んでもいいですかね?

 思わずありがたや~とか手を合わせそうになった所で、その美人さんが話しかけてきまして。


『こんにちは。小さなお姫様』


 黒髪の美人さんは、ニコニコしながら私にもはっきりと理解できる挨拶をしてくれたのでした。

ご覧いただき有難うございます!


いくら深夜ハイテンションで書いているとはいえ、見直しはちゃんとすべきですね。後からボロでまくりデス……。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ