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1話

突発的に妄想から始まりました。肌色要素多め。(というか初回は肌色しかない)

 皆さんにお尋ねします。

 目を開けたらそこに美形がいます。超イケメンです。どうしますか?

 相手さんはなんだか唖然としております。ちなみに視界で確認できる情報だと裸だと思われる。


 私の答え。


「……………」


 とりあえず硬直してみました。

 待て。今どういう状況だ。自分でもさっぱりわかりません!


 私はいつも通りに仕事を終え、化粧を落とし、体と髪を洗ってからお湯を張ったお風呂に浸かって気持よくリラックスしたトコで――……気がついたら目の前にイケメン。以上回想終わり。

 え、早い?だって私にもわかんないものはわかんないんだから仕方ない!

 

 と、とりあえず落ち着こう。深呼吸をしよう。


 ひっひっふー。


 違うこれじゃラマーズ法だ!別に産気づいてないよ!!

 落ち着け、落ち着け自分。まずは状況を把握するのだ!!!

 お風呂に入って、お湯に浸かって、目を閉じたらあらびっくり。なんと目の前には素敵な筋肉が……!!


 って本音出てしまった。いかんいかん。やっぱり混乱しているようデスネ。うふふ。


「……っ~…?」


 あら。目の前のイケメンが何か話しかけてきました。

 でも残念ながら言葉がわかりません。外国人でしょうかね?

 目の前のイケメン君は、金色の髪の毛とやや目尻が下がった色っぽい垂れ目のアイスブルーの瞳をが特徴的で、濡れた髪が肩口にかかってセクシーです。


 ……あぁ。鎖骨がイイ……。て、それどころじゃない。

 いい加減状況確認しないといけない。鑑賞するのも悲鳴を上げるのもその後にしよう。

 辺りを軽く見回す――と、ようやく違和感に気付く。


 どうやらここは、私の家のお風呂じゃない…………?

 

 私の中で当てはまるものがあるとすれば、それはあれだ。よくあるファンタジー世界の王様のお風呂?

 湯気であまり視界はよくないけど、装飾が凝っていてあちこちピカピカしてるように思う。後、私の体が浸っているのは当たり前だけど温かいお湯のようだ。

 ん、このお湯なんかいい匂いする。


 て、あれ?なんで私こんなとこのお風呂入ってんの?


 いや、うん。まぁね。分かってたんだけどさ、目の前の美体があまりにもインパクト強くてね……。

 普通なら真っ先に気づかなくちゃいけないとこをだったんだろうともさ!

 あと、多分普通の子ならお風呂場で男に遭遇したら悲鳴上げるよね。私後回しにしようとか思っちゃったよ。いいのか私!うん、よくないけどよしとしよう。


 そして改めてイケメン君……いやタレ目君にしよう。タレ目君をじっくりと眺めよう。

 あ。別に舐め回すように見てるだとか、目の保養だぜうへへとか思ってませんよ?

 ただホラ、よくわからない状況なので、なにか知っていそうな人物を確認しているだけよ? 


 あらぁ。タレ目君はこっちを難しい顔で見ています。

 なんでしょう?貴方と違って私には見ても保養となるような体では………。

 

 はたと気がつく。


 ココは、多分、お風呂。


 相手も入浴中(?)だと思われるので、裸です。当たり前ですね。

 私も、お風呂に入っていますので、当然……裸ですね!!!??


 一拍。


『うぎゃぁぁぁああああ!!!??』

「~~~っ!??」


 乙女の悲鳴じゃなくて申し訳ございませんね!

 でも可愛らしく「キャァ」なんて言ってる場合じゃないのですよッ!


 目の前のタレ目君がかなりびっくりしたというようにざぶんっと波立たせながら後退ります、が。

 驚いた顔も美しい!さすがイケメンは違うねッ!

 て、余裕あるじゃないか私。いやいや、かなり混乱しておりますとも。


 裸ですよ裸!??嫁入り前の娘が堂々と見知らぬ男に肌を……っ!!


 一気に羞恥心が駆け上がり、胸元に手を当て姿を出来るだけ相手の視界から己が身を隠そうと、湯船に思いっきり浸かろうとして。

 どうやら私のいた場所は他より少し高い位置にあったらしく。慌てた私は――――――足元を滑らしました。


 ズブッ。


 深い!!?

 何このお風呂とっても深いんですけど??!

 足が着かずバタバタモゴモゴ。頭は大パニックなので、息継ぎとか忘れてとりあえず手足をひたすら動かしてもがきまくりです。


(死ぬっ!死ぬ~~~~~!!?)


 必死に湯をかき分けて水面から顔を出そうと努力はしているのですがっ。

 この短い手足ではうまく水を掻くこともできずただ闇雲に動かしているだけで。

 呼吸がままならず、いつしか動かしていた手足の動きも鈍り、水面が遠くに感じられ―――。


 沈む自分の小さな身体と、段々暗くなる視界。

 お湯の中は透明で澄んでいて。今は香りはわからないけれど、湯が甘くてとろとろとしているような気がした。

 そして何より意識が遠のく私が水中で最後に見たものは。


(なんて……良い身体なの……)


 その大きな腕で私の身体を包み、溺れる私を救い出してくれたタレ目君の艶かしく美しい肢体でした……。

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