表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2

1話 家族の温かさ

「高穂ー!学校遅れるよ!」

いつもの朝。

高穂というのは、私の弟分。

風間高穂(かざまたかほ)。1つ下の男の子で、今年で中一だ。

亜美姉(あみねえ)、待ってよ…」

高穂が重そうなリュックを背負うと…

「亜美、お前なぁ…」

そう言って、高穂の分も靴をとってるのは、高見沢雄飛(たかみざわゆうひ)

雄飛は、私と同い年で今年で中二だ。

「なによ。雄飛」

「お前、また、トマト残したろ!」

ギクッ…。

実は、トマトが大嫌いです…。

毎朝でるんだけど…残してます。

「まぁまぁ…雄飛だってピーマン嫌いでしょ?」

そう言って、私の頭を撫でるのは、私のふたつ上の男の子波貝咲夜(なみがいさくや)

「咲兄はまたそうやって亜美を甘やかす…」

「じゃ、雄飛は今日の夕飯から、ピーマン食べてやらないからね」

「えっ…」

雄飛はそのまま顔が引きつった。

「ご、ごめんー。ピーマンだけはお願い食べてー」

「じゃ、亜美のトマトも見逃せよ?」

「分かった…」

普通の兄弟じゃありえない温かさ。

これも、家族のいない悲しみを知ってるからこそできること…。



「あーちゃん、ゆーくん、たーくん、さく、いってらっしゃい」

「いってらっさい」

そう私たちを見送るのは、まだ5歳の双子、桜木真由子(さくらぎまゆこ)桜木泰陽(さくらぎたいひ)

「泰ちゃん、真由ちゃん。行ってきます」

そう言って、私は、雄飛と咲兄の手を繋ぐ。

4人横に並んで仲良く中学と高校へ…


◇◆◇◆


「本当に仲がいいんですね」

「はい…」

「本物の家族より、こっちのほうが楽しそうだ」

「あっ、でも…」

「また、来ますね」


◇◆◇◆





私にとってこの温かさはいつものことで、もう慣れたのかも知れない。






この温かさが後に奪われることになるなんて、

誰が考えたことだろう…。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ