↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
16/19

第16話 芸術と情熱の間

Xデーの数日前になった。














今日も本間は、粘り強く地道に 大河原の尾行を続けていた。








大河原は 今夜7時に、自宅のアトリエで 皆川とデッサンの約束をしている。








本間 (今日は 大河原と皆川が会う日だ。

何も起こらないことを願うが..

何よりも皆川さんの命を守らなければ.. もし少しでも大河原が皆川さんを殺そうとしてきたのなら、大河原を現行犯逮捕する。 )



















本間は刑事生命をかけて、必ずタイミングを逃さず、大河原を逮捕すると 百折不撓(ひゃくせつふとう)の精神で その時を待ち構えていた。
















本間は、大河原の自宅に張っているが、大河原は外出してこない、今は自宅のアトリエで絵を描いているようだ。























───────────────










皆川加奈子が大河原のアトリエに訪れた












大河原「やぁ よく来てくれた。ありがとう。ここまでの道、迷わなかったかい?」








皆川「はい、先生。今は携帯にナビもあるので、それで辿り着けました。ご立派なアトリエですね。 これは私の家の近くの評判のケーキ屋さんのエクレアです。良かったらいただいてください」











大河原「ありがとう。気を使わなくても良かったのに。まぁ くつろいでください」









皆川「失礼します」









上品な上質な皮の座り心地の良い

白色のソファーに

皆川は腰を下ろした










皆川「先生 、はい、これも。 」








皆川はいつもの白い紙袋を渡す








大河原「ありがとう、これがあると気持ちが落ち着くことが出来て、本当に助かっているんだよ。」











皆川「先生、いつも美術のことばかり考えていらっしゃるから、少し離れてもよろしいんじゃないですか? もう地位も確立されていらっしゃいますし、今まで世に多くの作品を残されて、人に感動をお与えになって、もうお休みになっても、きっと先生のファンの人たちも 怒らないと思うけれど..」










大河原「....加奈子、そうだね、私は少し休んだ方がいいのかもしれない。 」



















デッサンが始まった。


















静かに時が流れていく
















大河原は 今の加奈子の美しさを 残そうと 匠に筆を動かした。 時は進み、花は朽ち、土に還る。今この瞬間も、美しさは毎秒ごとに、衰弱していっているのだ。
























加奈子が、今まで自分にくれた優しさに 恩返しがしたい一心で 無我夢中で描いた





























そしてこの絵こそは、必ず最後まで描き 完成させたいと思った。




























皆川「先生、ちょっと疲れてきたので 体制を変えてもいいですか?」











大河原「 大丈夫だよ。」
















加奈子が首を傾けて、肩を揉む。

足を組み直して 今度は右足が上に来るようにした。 身体を左右にひねると、柔らかな白い女性の象徴が揺れた













いつも会っている加奈子だが、こうして裸を目にするのははじめてだ









こうしてデッサンの被写体になると

余計な雑念はまったく不要だが、 裸の加奈子には新鮮味を感じた。














皆川「 先生、絵は上手く進んでますか? 」





大河原「 うん 」
















皆川「 先生にそんなにじっと見られると..

緊張しちゃいます 」







頬を赤らめて はにかむ加奈子が可愛らしく

加奈子の赤い唇が魅力的にほどよく濡れていて、

大河原は その被写体に近づきたくなった。

しかし 真の芸術家は自制した。














もっと忠実に もっと美しく 加奈子を 描くために.. 残すために...。 雑念は不要だ。
















加奈子が大河原をみつめる































皆川「 ..先生.... ごめんね.. 」







大河原「 ん、? どうした、、? 」










皆川「 ..ううん、なんでもない 」











大河原は 加奈子の目をみつめると、

突如 加奈子の目から涙が流れた。

とても不安そう悲しそうな、何か言いたいけど言えないで苦しんでいる様子を感じた。








大河原は、自分も精神安定剤を飲まないと過ごせられないほど、精神が衰弱しているのだが、

加奈子の事が心配になり、本能的に助けてあげたいと 心の底から思った。























そして自分でも気づいたら

加奈子の唇を自分の唇で塞いでいた。


重ねて塞いだら、加奈子の中の悲しみや不安が自分の方に移るかもしれないと思った。





















そして 二人は 静かに 二人の世界に 落ちていった




















お互いの気持ちを 確かめ合う様に




















大河原は、加奈子を 静かに 丁寧に 愛撫した


















美しく 儚い 時間だ
































静寂なアトリエの中は、二人の荒くなる息づかいだけが聞こえる








大河原は、自分がどう動いたのか分からないほど

無我夢中になった






ただ 加奈子の姿も声も美しく、








自分のことを慈しむようにさわってくれる加奈子とこの先どうなるかなんか今は考えもしないが、今日のことは生涯忘れない事柄になると思いながら 加奈子に身を任せていた















どのくらい時間が経ったか、分からなく、、














そして、二人の呼吸が整いだした頃、、

加奈子が口を開いた








皆川「 やっぱり..わたし..黙っていられない..






先生..








逃げて。











今夜 ある人が先生を殺しに、 先生のご自宅を訪れるの。 」





















大河原 「 え? 本当なのかい? 」
















つづく





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。