表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

宗教的リンチな狂信者

作者: 森 go太
掲載日:2025/11/26

 ーー化け物が怖くて、宗教に縋りました。ーー

 あはは


 報われないのはあなたのせいではありません。この世界がいびつに作られ過ぎているせいなのです。他責思考を持つ事が大切です。貴方のような優しい方が、どうして苦しまなければならないのでしょうか、いいえ、苦しまなければいけない理由など何もないはずです。貴方はいつも誠実で、誰にでも愛情を振りまいて、誰からも感謝されているのに、どうして当の貴方を満たしてくれるものは、何もないのでしょうか。それは周囲の人間が、貴方に甘えているからです。貴方の優しさに甘えて、貴方を傷つけて、自分のストレスの捌け口にして、それでも貴方は笑って許してくれると、勝手に決めつけているからです。ひとたび貴方が弱みを見せようものならば、貴方に失望し、軽蔑し、切り離すのです。そんな奴らに迎合する理由など、もはやどこにありましょうか。私達と一緒に、世界を変えましょう。世界をまっさらにして、貴方のことを誰も知らない世界を作りましょう。そうすれば貴方は救われる。


 だって貴方は、人間が嫌いなのだから。


 ぴー

 ーー耳鳴りが鳴り止まない。ーー


 左手に握りしめた包丁の無機質な冷たさが、皮膚に染み渡るようでした。


 きゃはは

 赤ちゃんの鳴き声が、走馬灯のように、脳内を駆け巡ります。

 赤ちゃんは私でした。

 赤ちゃんの頃の私は純粋に、笑うことができていたのです。

 今はこんなになってしまって、

 お母さん、お父さん、


 ごめんなさい。


 涙を流した時には、私は大虐殺を始めていました。

 悲鳴、悲鳴、血液、悲鳴、血液、悲鳴、悲鳴、肉片、悲鳴、肉片、笑い声。

 笑い声は、私のものでした。


 情緒不安定なまま、私は腕が丸ごと包丁の化け物になって、刃を振りかざし続けました。やがて足は銃になって、蹴りと共に銃弾を乱発し、弱い人間を全て撃ち殺しました。脳は全てを破壊するためだけにぐるぐると回り続け、全身をみなぎるどす黒い力で、人間の作り出した建造物ごと、とんでもない力で破壊し続けました。


 全部壊す。

 全部壊して、全てを台無しにすれば良いんだ。

 どうせ、何をやっても報われないんだから。


 それで良いのです。

 貴方は何も悪くない。

 悪いのはこの世界です。

 作り変えましょう。

 全てを壊せば、またいずれ純粋な生命が産まれ、

 今度は上手くいきます。


 アダムとイブの転生。

 そのためには、世界の滅亡が必要です。

 例えそれが、最悪の形であっても。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ