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昭和ヒーロー、後輩達と共に現代ダンジョンをボコボコにする

 破壊そのものが現代ダンジョンを蹂躙する。


 ヒーローたちが悪の組織に手古摺るのは、こそこそと隠れ潜んで悪だくみをするからだ。

 一方、ダンジョンの方は分かりやす過ぎる本拠地が存在し、単にぶち破ればいいだけの話になるため、その点で述べると明確に劣っている。

 しかも戦力は怪人以下ときたものだ。


「真紅先輩。スケルトンです。お約束的に斬撃に対して強い耐性がありますがこん棒や打撃は通用します」

「じゃあ殴ろう」


 単なる白骨死体にしては妙な紋様が輝き、身に着けている装備も錆びていない上等なスケルトンに、真紅を筆頭とした肉弾戦要因が突っ込む。

 そのヒーローたちにスケルトンは素早い剣技を披露。

 しようとした。

 最低ラインが百メートル五秒台。平均では二、三秒。場合によっては一秒を容易く切るヒーローたちが突っ込んできたのだ。

 スケルトンが剣を振り下ろす前に、ヒーローたちの拳と脚が叩き込まれると、肋骨が砕け、頭蓋骨は塵となり、その衝撃波で散っていく。

 そもそも当たったとしても、ヒーロー独自の考え方による単位、パンチ力かキック力がせめて80tはないと話にならず、勝負の土俵に上がれない。


「ブモオオオオオオオオ!」


 その奥にいたミノタウロスが吠える。

 身の丈は二メートルを超え筋骨隆々とした肉体が、巨大な斧を振りかぶる前に死んだ。

 言葉通り目にもとまらぬスピードの平成ヒーローが、冷ややかな冷気すら感じる手刀で、ミノタウロスの分厚い首を切断し、その切り拓いた道を他のヒーローが進んでいく。


「後輩諸君、よろしく!」

「はい!」


 先頭を走る平成ヒーローが令和の後輩達に頼む。

 見ると進路上にはヘドロのような物がこびり付き、悪臭を放ちながら蠢いていた。

 スライムと名付けられた存在は物理的攻撃に加え、炎や電気にも高い耐性を持つため、基本的には物理的手段で戦う多くの平成ヒーローにとっては面倒な存在だった。

 しかしその逆の方向性に伸ばした令和ヒーローがいたなら話が変わる。


「いっけー!」

「消えちまえ!」


 地獄の一週間訓練を潜り抜けた令和ヒーローの出力は明らかに上がっており、様々な概念を宿した破壊の光がスライムを飲み込むと、綺麗さっぱり片付けた。


「グオオオオオオオオオオオ!」

「流石にドラゴンは知ってるな」


 広大過ぎるダンジョンで翼を動かす巨大なドラゴンが、鉄筋コンクリートのビルを融解させる炎を吐く前に、耳元であり得ない呟きが発せられる。


 人間は敵に空を飛ばれると、飛び道具が無いと対処できない?

 そんなものはヒーローに当て嵌まらない。


 異常な脚力で飛び上がった真紅が勢いのままドラゴンを殴ると、その拳は鋭い歯を巻き込んで脳に到達して消滅させる。

 いかにドラゴンとはいえ、100t近い衝撃など想定している筈が無く、一応生物のくせにそれらと一応対等に戦えていた怪人がおかしすぎるだけの話なのだ。


「ギギャアアアアアアアア!」


 次は吸血鬼のなりそこないのようなモンスターたちが現れた。

 人に見えなくもない体のあちこちから蝙蝠の羽や牙。耳などが突き出ている醜悪な姿で、相手が常人なら容易く解体して血を飲み干すことだろう。


「毎分百万発。喰らってみるかい?」


 異様な桁を持ち出した平成ヒーローが強大な特別製回転式機関銃を振り回し、蝙蝠モンスターを一瞬で木っ端微塵に粉砕する。


「ギギャアアアアア!」

「おっと。物理攻撃無効化持ちも混ざってる感じ?」


 だがその中には、まるで銃弾の雨がないように突進してくる個体も混ざっていた。

 すぐさま氷の彫像と化したが。


「ふー」


 口から漏れる息すら凍結している令和ヒーローがその御業を披露すると、物理的ではなく霊的な凍結に巻き込まれたモンスターが、一瞬で凍結して砕けた。


 最低でも自分の物語りに終止符を打ったのが令和ヒーロー。

 自らを含め後輩達と共に複数の事件を解決したのが平成ヒーロー。

 そして数多の悪の組織と戦ってきたのが昭和ヒーロ。


 三世代が集結しているヒーローにとってこの程度、物の数ではなかった。

 だからこそ問題は、平成と令和が手を組んでなお、複数回帰還しなければならなかったダンジョンの広さにある。


 既に百層を越えているヒーローたちは、常人なら天才と呼ばれる部類の人間でも成す術がない怪物達を吹き飛ばしながら、なおも進撃を続けていた。




 ◆


 父さん母さん。先祖の皆様へ。

 悪いけど海へ散骨します。


 捕まってる科学者の協力で、連中が作り出した最高傑作。次世代のエネルギー源をなんとか奪うことが出来たんだ。それで、父さんと母さんを殺したあいつらをどうしても許せないから、これを俺の体に埋め込む。

 でもあのアホ連中、古代の呪術や魔術がどうたらで、死者の魂が縛れるらしいから、皆を利用しようとするのは目に見えてる。

 馬鹿な話だよ。復讐したいのに墓から骨壺を取り出して散骨するなんて、なんのために戦ってるか分からなくなる。


 だからまあ、そっちには行けないと思うから、手紙だけを墓に入れておくよ。

 もしなんかの間違いでちょっとだけ会うことが出来たら、その時は叱ってほしい。


 -とある墓の中に置かれた手紙-

多分、あと2、3話でケリがつきます。

なんせ全世代ヒーローが突っ込んで現代ダンジョンが耐えられるなんて微塵も思えませんから、変にこねくり回さずその辺りの設定的ディティールは大事にしたい(*'ω'*)


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