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梅雨神様の初めての願いごと 初恋の音色

作者: 月花 珊瑚

私は、雨の日の神社が好きだ

ぽつぽつと振り出すころぴちゃぴちゃと変わる時、足早に皆帰り支度を始める そこに黄色い傘をさしながら足を踏み出す、木の根の香りが広がる。

雨宿りするために、木の下に行く

「傘を持っているから雨宿りとは言わないかな」と、笑いながら呟く

コンクリートの道路の音も好きだよ。

でも、土に吸収されて、栄養になる音が好きだ

                        

「今日も、来たよ 神様……」と手を合わせながら言う少女は、

音を楽しむ、まるで、この世界を貸し切ったようですきだ……。 

「また、来たんだね……おかえり」と少女に声をかける 

白い髪の腰の下までほどの長い男が言う 

梅雨(つゆ)神様、今日は機嫌がいいね」と彼女にしか見えない男に笑いかける。

そう、彼女は神が見えるのだった。

そのぶん彼女は、人とかかわるのが苦手で子供のころから、ここに駆け込んでくることが多かった……。

最初に出会ったときに、いつものように赤いランドセルを背負いながら、視線が交わった。

猫を探しに来ているのかと思っていたら、突然、「いつも、どうしてここにいるの?」と声を聞いたとき私の時間が、鮮やかに動きだしていったのを感じた


梅雨神様と言われるのは彼女がつけた名前で、どうやら神様の名前は難しくてわからないようでよくあだ名をつけているようだった。   

そうして今日も彼女は、願い事をしないで帰る。

どうやら、私にあえるから願いはもう叶ってるよという 

しばらくして、大人になりスーツに身を包んだ彼女が、

雨の日ではなく晴天の日に僕にいう

「私、結婚するの……これからもう来れないけど、私の初恋でした。」と

手を合わせていう。

……どうやらもう、私の姿は見えないみたいだが、それでも、

私の彼女が幸せになってほしい願いはどうやらかなったみたいだ。

私の初めての願いことが叶った日だ

祝いの舞を踊りながら、きらきらと反射する雨とともに

天気雨をもう私の事がみえない君に送る  

「ありがとう」とほほ笑み去っていく後ろ姿を見て、私の初恋は終わったが、永遠に忘れられそうもないなと舞を踊り続ける 



彼女が残した、声の音は私を離してはくれなさそうだ


今も彼女の音が、咲きそうな音色をもって残っている……

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