第三十一話
俺がイルミダ星のことで混乱していると、ギール・アルガーが話しかけてきた。
(相棒、一旦落ち着こうぜっ。混乱してても何にもならねえぞっ。)
(でも!……そうだな。一度整理していこう。まず、イズンは自らのことをイルミダ星の生き残りと言ってた。でも、アリシア達はイルミダ星のことを知らないって言ってる。)
(ああ、それと、俺達しか知らない情報として、やつがイルミダ星を滅ぼしに向かったってのもあるっ。結果は知らねぇが、このことから少なくともイルミダ星って星はどこかにはあったことにはなるぜっ。)
「そうだな。」
「どうかしたの?」
「どうされましたか?」
俺がしばらく沈黙して、最後だけ呟いてしまったため2人は不思議そうにこちらに目を向けた。
俺は2人にどうやって伝えるか悩んだが、ありのまま伝えることにした。
「ああ、実は――」
俺は、俺が倒れている間に体験して知ったことをウリルとアリシアにも話した。
悪魔のことから、イルミダ星のことまでだ。
悪魔の話では、自分たちの星にも降りかかってきたことでもあるため、助からなかった星に対して悔やんでいた。
そして、イルミダ星のことを話すと、その星の実在を知った2人は驚きというよりも困惑していた。
「――ということがあったんだけど。2人はどう思う?」
「どう…と、言われてもねぇ。」
「ええ、わたくしもわからないです。お力になれず、申し訳ありません。」
予想通り、2人ともわからないようだった。
「いや、いいよ。たぶん、この答えもイズンに聞けばわかるはずだから。」
「そうね。まずは情報を集めないことには始まらないもの。」
「では、さっそく向かいましょう。そうすればきっと何か解決の糸口が見つかるはずです!」
そう言ってアリシアは、やる気満々に扉に向かおうとした。
「そうね。でも……」
「そうだな。ただ……」
「え?2人ともどうしたの?」
俺とウリルがそう言ってアリシアに近づいた。
アリシアはそんな俺たちを不思議そうに見ていた。
俺とウリルは一拍おいて、同時に言った。
「「服を着替えろ!!!!」」
「あっ!……はぃ。」
その時になってようやく自分がパジャマ姿なのに気づいたのか、顔を真っ赤にして俯いたまま消え入りそうな声で返事をしたのだった。
(あぁ、これがイズンの言ってたことか。確かになんか抜けてるなぁ。まあ、逆に親近感持てるけども。)
俺はアリシアの反応を見て和んだからか、無意識のうちに笑っていた。
「…ん?どうした?2人ともこっちをじっと見て。」
「あ、いや、あの、えと……」
「いや、な、なんでもないわ!……あ、そうだ!アリシア、早く着替えてきなさいよ!あの兵士に話を聞きに行くんでしょ?」
「あっ、ええ!そうね、ちょっと失礼いたしますね!」
2人が俺の方をじっと見てきていたので聞いてみると、2人とも急に慌てだした。そしてウリルが強引に話を戻したことで、アリシアが着替えに部屋を出ていった。
「なあ、さっきのは何だったんだ?」
「なんでもないわよ!しつこい男は嫌われるわよ!!」
「お、おう。なんかごめん。」
「い、いや、あたしも言いすぎたわ。ごめんなさい。」
さっきのことをウリルに聞いてみたら、大きな声で怒鳴られたためその勢いに押されて謝ると、ウリルも謝ってきて変な空気になってしまった。
「あー…ウリルはどう思った?」
「え?何が?」
「さっきの話だよ。俺はイルミダ星があるとは思うんだけど、それが本当にこの星の近くにあったのかがわからないんだよな。いろいろ想像はできるけど、想像の域を出ないんだよなぁ。」
「そうねぇ。あたしもやっぱりわからないとしか言えないわね。アルミダ星のあの兵士に聞いてみないことには真相はわからないままでしょうね。」
「やっぱりそうだよなぁ。」
俺はこの空気に耐えかねてさっきの話に戻した。
すると、ウリルもそれに乗ってくれて話し合いをしてくれた。
しかし、改めて話し合ってみても答えが出ることはなく、さっきと同じくイズンに聞く以外の結論が出ることがなかった。
それから、ウリルと2人でアリシアのことを待って、アリシアの着替えが終わってからイズンの所へと向かうのだった。




