第二十四話
『くっくっ。どうですかぁ?これであなたは私に近づけないでしょうぅ?はっはっはっ!所詮は人間ですねぇ!!黒炎弾に触れてただで済むはずもないのですよぉ!!このまま塵となって消えてしまいなさいぃ!!!』
俺が長剣で飛んできた黒い炎弾を斬り、消し続けていると、デミルが調子に乗ってきてさらに多くの炎弾を放ってきた。
俺はそれをただひたすらに斬っていた。
炎弾を消すのは簡単だったが、あまり身体に触れないようにする方がいいと本能的に感じており、身体に一切触れないようにその場に留まって全ての炎弾を斬って消し去っていた。
(なあ、相棒。いつまでそこに留まってんだっ?流石に体力保たないだろっ?)
(あぁ、これが1日中続いたらさすがにきついけどな。たぶんそろそろ止むから大丈夫だろ。それから攻めればいい。)
(なんでそんなことわかるんだっ?)
(あいつの心も診えるから、わかるんだよ。あいつ、俺が防戦一方だと思っていやがる。まあ、攻勢に出てないからあながち間違いじゃないけどさ。弾幕で俺が見えてないのもあるけど、あいつだいぶ疲れてるみたいだから。頭の回転も遅くなってるんじゃないかな。あれはだいぶエネルギーを消費するらしいからな。)
(な、なるほどな。そんなことまでわかるのかっ。じゃあ攻勢に入るタイミングとかは任せるぞっ。)
(あぁ、わかった。)
俺がギール・アルガーと話しながら炎弾の対処をしていると、デミルの声が聞こえてきた。
『はぁ、はぁ、はぁ。流石にあなたも耐え切れずに死んでしまったでしょうぅ。』
そして、炎弾が止まった。
『ふぅ。これで計画を邪魔されることもなくなりますねぇ。』
(おぉ、本当に止まったな。で、この後どうするんだっ?そろそろ煙が消えるぞっ。)
(あぁ、じゃあ行くか。)
その時、俺はデミルの意識がウリルの方に向いたことを認識した。
不意打ちもできるかもしれないが、俺は気づいたら声を上げていた。
「は?何勝手に死んだことにしてんだよ。」
それは一瞬冷静なようでいて、深い怒りを内包したような声だった。
『っ!?なぜ、なぜまだ生きている!?早く死ねえぇぇ!!!』
そういってデミルが放ってきた黒炎弾は動揺のせいもあって避ける隙もできており、その隙間を縫って進みデミルに近づいていった。
すると、当たらないことに焦ったのか黒炎弾をさらに放ってきたが容易に進むことができた。
俺が攻撃を避けながら歩いていると、また叫び声が聞こえてきた。
『なぜ当たらない!?こっちに来るなあぁぁ!!!化物めえぇぇ!!!』
(ははっ。相棒、化物だってよっ!はははっ。悪魔に化物扱いされてやがるっ!!)
「はあ、うるさいなぁ。黙ってろよ。」
俺は内と外からの声に煩わしさを感じつつ、ゆっくりと距離を詰めていった。
そして距離が縮まってきたところで、長剣に手をかけた。
(じゃあ、いくぞ。)
(ああ、さっきの機能を使うんだなっ。了解だぜっ!任せとけっ!)
そしてデミルが浮遊している位置の地面から3m程の距離に着くと、長剣を振りかぶり、思い切り振りきった。
すると、長剣がデミルへ向かって伸びていった。
そう、新たに加えた機能とは伸縮機能だ。イメージしたのは蛇腹剣。接合部がワイヤーで繋がれており、そこが伸びることで遠距離への攻撃もできるようにしたのだ
ただ使い方が難しいため、細かな操作はギール・アルガーに一任している。
伸びた剣はデミルの身体に巻き付いていき、そのままがんじがらめの状態になった。
『くっ!こんなもの、すぐにほどいてみせますよ!……くそ!なぜほどけないのですか!?』
(そりゃそうだろっ。オレが操ってんだからなっ!)
デミルの言葉にギール・アルガーが反応したが、デミルには聞こえていないようでそのまま解こうともがいている。
俺は捕まえたデミルを引き寄せるようにこちらに思い切り引っ張った。
それにデミルは抵抗するが、力の差がありすぎて思い切り俺の目の前の地面に激突した。
俺はギール・アルガーに巻き付かれた状態のデミルを見て、冷静ではあったが静かな怒りが沸々と沸き上がってくるのを自覚していくのであった。
そろそろ悪魔との戦いも終盤になります。




