第二話
目を覚ますと、俺は見たこともないような部屋の大きなベッドの上で横になっていた。パッと見では、どっかのお嬢様が住んでそうな部屋だがもちろん俺は知らない。部屋の隅にはメイド服のようなものを着た女性が二人おり、そのうちの一人が扉の外に出て行った。寝起きでぼやけていた頭を懸命に働かせて考えていると、ふいに部屋の扉が開き、そこから碧眼で金髪を腰くらいまで伸ばした同い年くらいの少女が現れた。
「お目覚めですか?」
見惚れすぎていてなかなか反応できないでいると、その少女が近づいてきて
「あの、大丈夫ですか?」と、そう言ってきて、ようやく我に返った俺は
「だ、大丈夫だ。それより、君は誰でここはどこなんだ?」
緊張しながらも質問をすると、少女は近くにあった椅子に座ると話し始めた。
「わたくしはアリシア・ルー・メルダといいます。アリシアとお呼びください。ここはアルミダ星という星で私はこの星の王女に当たる存在です。あなた様のお名前を教えてもらってもよろしいですか?」
「……」
「あの…」
アリシアと名乗る女の子の話を聞いて考えこんでいると、アリシアが怪訝そうに話しかけてきた。
「あ、あぁごめん。俺は羽間雄一だ。ここは、アルミダ星っていうんだな。」
(ほんとに別の世界に来たんだな。)と、俺は少し感心した。
「…ところで、俺はなんでこのベッドで寝ていたんだ?」と、少し気になったことを聞いてみた。
「それは、召喚されたあなた様が意識を失われていたので、一先ずわたくしの城の寝室へ運んだためですわ。」
「俺は気を失ってたのか。というか召喚?君が俺を?なんで?」
(ゼウスには異世界に送るとだけ言われてたから召喚なんて聞いてないんだけど)と思いながら疑問を口にした。
すると、アリシアは少し暗い顔をして話し始めた。
「それは……今、このアルミダ星は友好関係にあったウルミダ星と戦争が始まってしまい、我が星が壊滅的状況にあるからです。そのためわたくしはアルミダ星を、星の民たちを救うためにある儀式をして神様に助けを求めました。成功するかどうかもわからないことではありましたが…わたくしにはこの星に住む民たちのために出来得ることが他に何もなかったのです!……ですが、雄一様が来てくださいました!」
アリシアは話している最中に涙を流していた。
(こいつは、自分のためってよりも他人のために出来ることをしたくて俺なんかを呼んだのか?しかもこんなかわいい奴がか…?容姿端麗で性格まで良いとか、元の世界を捨てたような俺なんかとは正反対だな。)
軽く自嘲的なことを思いながらも、星のためにそこまで思う彼女に少しでも力を貸したい。そう思ったが、今の俺にできることが全くわからなかった。ただこの星を守るべきということはわかる。だから、
「わかった。俺に何ができるかわからないが、できる限りのことをしよう。」
俺がそう言うと、アリシアは涙を流しながら、それでも笑顔で「ありがとうございます。」と、言うのであった。
それを見た俺は、彼女のためならこの命を懸けてもいいかなと…そう思ったのだった。




