第十四話
「侵入者だ!!取り押さえろ!!」
「こっちにもいるぞ!」
「こっちもにだ!!」
俺たちが城内に侵入すると、予想していた通り多くの兵が待ち構えていた。
敵兵をかく乱させるために、俺たちは途中の分かれ道で分散して行動していた。
「ここにも兵がいるな。よし、各個撃破していくぞ!あまり足止めされるのも良くないか。お前たちにここを任せる!死ぬんじゃないぞ!」
「「「「「「「「「「はい!」」」」」」」」」」
イズンがそう言うと、今いる兵士の10人が返事をして通路にいる敵兵に向かっていった。
「うおお!」
「行くぞおお!」
こちらの兵が襲撃を仕掛けると、敵兵が浮足立っていた。
「うわぁぁ!?」
「お、お前ら!お、落ち着くんだ!!」
「おい!?待て!!陣形を崩すんじゃない!!」
敵兵の数は多いが練度の低い者たちが多いのか、まだ体制を整えることができていないようだ。
「今のうちに行きましょう!」
「ああ!わかった!」
襲撃を仕掛けた兵以外の俺たちは浮足立っている敵兵の隙をついて先へと進んだ。
「あっ、おい!?侵入者が先に行ってるぞ!!誰か止めろぉ!!」
「む、無理です、隊長!?こっちで手いっぱいですよ!!」
「こっちも手が回りません!!」
「くそっ!!これ以上先に行かせたらまずいのに!!ウリル様…申し訳ありません!!」
俺たちが敵兵の詰めていた小部屋から通路へ抜けるときに敵兵に気付かれたが、特に邪魔されることもなく進むことができた。
俺たちのいる突撃隊は、襲撃と先行に分かれて進軍を続けていった。先ほどと同じような戦闘を繰り返して俺たちが玉座の間への扉の前へと辿り着いた時には、俺とイズンだけになっていた。
「この先にウリルがいるのか。」
「そうです。これでようやく戦争を終わらせることができる。」
「そうだな。イズン、わかっていると思うが――」
「わかっています。では、行きましょう。」
イズンはそう言うと、玉座の間に続く扉を開いた。
「っ!?なぜ、ウリル殿下だけじゃなくて…アリ、シア、様…まで…!?」
「イズンどうした?……っ!?」
イズンが扉を開けたまま固まったため、怪訝に思った俺も玉座の間を覗いた。するとそこには、黒い髪を腰まで伸ばし、赤い眼をした女性がいた。おそらくウルミダ星の王女だろう。しかし、それだけではなくアリシアもいたのだった。
「アリシア!?…何でここに!?アルミダ城にいたんじゃないのか?」
「………」
俺が聞いてもアリシアは俯いたまま、返事をする様子がない。
「アリシア!!聞いてるのか!?」
「っ!?………わたくしがここにいるのは…アルミダ城にあるワープゲートで来たからです。」
「どうしてそんなことをしたんだ?」
「……この戦争を終わらせるために……です。」
少しの沈黙の後、アリシアが答えてくれたが、その返答を聞いても俺は理解できないでいた。
(戦争を止める?アリシアがか?でもどうやって?)
俺は訳が分からず、思考が空回りしてフリーズしていると、今まで黙っていたイズンが叫び出した。
「アリシア様!!裏切ったのですか!?…なぜ!……なぜ!!………なぜなんです!?」
突然叫び出したイズンに俺を含めた皆が唖然としていると、イズンがアリシアに向かって走り出した。
イズンがアリシアの目の前に着くと、そのまま首を掴んで持ち上げた。
「っ!?…ん!?……んぐっ!?」
「!?…おい!何してるんだ!!」
アリシアが首を絞められて苦しんでいる姿を見て、俺は無意識のうちに叫び、走り出した。




