第十三話
「流石にここには兵がいるんだな。」
「そうですね。ウリル殿下の護衛としても城を守るためとしても兵たちは避難せずにいるのでしょうね。不利になっても逃げないのは称賛に値します。」
俺たちは今、街の路地を利用して城の近くまで移動してきた。
そして城の様子を探るためイズンと俺の二人で城門の側まで移動して、城門や城壁などの確認をしている。
「そうだな。正直逃げてくれた方がこっちとしてはありがたいんだが、そう上手くはいかないもんだな。」
「それを言っても仕方ないですよ。では戻って進軍再開しましょう。」
「わかった。戻ろう。」
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「城門に3人、城壁周辺にも確認できただけでも6人はいた。城門の中にも多く兵が詰めているはずだから、警戒していくぞ!こっちはウルミダ星に来てから犠牲者はいないがそれでも200人だ。誰一人欠けることなく終わらせるぞ!」
「「「おお!」」」
俺たちは、30人の突撃隊と90人の遊撃隊、80人の防衛隊に分かれて行動を開始した。
先に遊撃隊に城壁周辺を巡回している兵に奇襲を仕掛け可能なら捕縛するように言った。これにはイズンが難色を示したが、俺が頼み込むことで渋々ながらも了承してもらえた。
城壁からの騒音が気になったのか3人のうちの1人が確認のために城門から離れたタイミングを狙って、俺たちは襲撃を仕掛けた。
俺とイズンは突撃隊に入り、防衛隊と一緒に城門へ襲撃した。
兵数の有利もあり、すぐに城門は制圧することができた。
その後、防衛隊には制圧した城門の防衛と城門周囲の敵兵の制圧のため残ってもらい、突撃隊として俺たちは城内へと侵入した。
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「あなたの救世主様を殺す覚悟は決まったかしら?」
ウリルが意地の悪い笑みを浮かべてそう聞いてきます。
「そんなの……」
そんなの決まるわけがないじゃない!そう言おうとしますが、口を噤んでしまいました。だって、どちらも本当に大切なのだから。
これまで友好的な関係を持ってきたウルミダ星もその民も、何よりウリル自身も!
ですが、雄一様もわたくしにとっては大切な存在です。わたくしは頭があまりよくありません。それでも、周囲の人が支えてくださるからアルミダ王女としてやっていけています。
そんな人たちを失いたくない一心で探し求めた方法で呼べたのが雄一様でした。
最初は救世主様としてだけ見ていましたが、次第に異性として見るようになりました。本当にわずかな時間しか接していなかったのに単純だと、わたくし自身のことながら思いましたが、恋に落ちてしまったことを自覚してしまってはこの気持ちに蓋をすることもできません。
このようなことでは王女として失格ですが、それでもわたくしはどちらも失いたくない。そう思うのでした。
わたくしが答えに窮していると、城内に多数の足音が響きます。
「ちっ!早いのよ、まったく!…まあいいわ。あなたは結局どうするの?このまま何もしなければ、あたしはおそらく殺されてウルミダ星の民も多くが殺されるでしょうね。まあそれはあたしの自業自得なことだけれど。」
ウリルが舌打ちをした後に、わたくしに答えを催促してきます。
でもわたくしの考えは依然として変わりませんでした。
本当に情けないです。
「わたくしは…ウリルたちもアルミダ星の民たちも雄一様も失いたくないです!王女としては失格かもしれませんが、それでもどれも本当に大切な存在なのですから!!」
わたくしの答えにウリルは目を見開いて驚くも、すぐに呆れたようにため息を吐いていました。やはり、戦争を終わらせることは出来ないのでしょうか?
そう思っていると、
「ほんとにあなたは、お人好しなんだから。」
ウリルが聞き取れないような小声で何かを呟きました。
それとほとんど同時にウルミダ城の玉座の間の扉が開かれました。




