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ライトノベルツクール  作者: 齋藤翔
8/34

バッドエンド

2019/7/24/19:03


 目を覚ますとラコルが僕を心配そうに眺めていた。


 四つん這いになって咳をする。切れた口から血がつたった。


「最悪だ」


 僕は吐き捨てた。


「大丈夫かニャ?」

「ラコル」


 僕は立ち上がった。


「全部お前のせいだ」

「そうかニャ~」

「お前のせいで、僕はこんな目に」

「知らないニャ~」

「お前が今日僕の前に現れなければ、こんなことにはならなかったんだ」

「そうかもしれないニャ~」

「どっか行ってくれ」


 僕は近くに投げられていたカバンを持って歩き出した。


 帰ろう。


 ちらっと後ろを振り返るとラコルがついてきていた。


 どうでもいい。


 ぐす。


 鼻水が出てきて僕はすすった。


 どうしてこんなことになったんだろう。


 なんでこんな目に。


 誰のせいだ。


 ラコルだ。


 校舎を回り玄関の方へと出る。


 涙が出てきた。


 今頃、あの男たちはキララに何をしているんだろう。


 彼女は無事だろうか。


 学校には先生がいるから。


 言いつければなんとかなるはず。


 僕は、何も出来ないんだ。


 関係無いんだ。


 校門を出る。


 出たところで、僕はむせび泣いた。


「うえぇぇぇぇぇぇぇん」

「ニャ、これまで」


 ラコルがメモ帳を閉じた。


「シクラ」

「ぐす」

「あたしは、ご主人様のもとに帰るニャ」

「ぐす」

「貴方の物語は、正直がっかりだニャ」

「ぐず」

「お別れだニャ」

「うえぇぇぇぇん。うぇぇぇぇぇん」

「最悪だニャ」


 ラコルは走って行ってしまった。


 僕は。


 これから。


 どうすればいいんだろう。


 物語は、これでおしまい。


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