バッドエンド
2019/7/24/19:03
目を覚ますとラコルが僕を心配そうに眺めていた。
四つん這いになって咳をする。切れた口から血がつたった。
「最悪だ」
僕は吐き捨てた。
「大丈夫かニャ?」
「ラコル」
僕は立ち上がった。
「全部お前のせいだ」
「そうかニャ~」
「お前のせいで、僕はこんな目に」
「知らないニャ~」
「お前が今日僕の前に現れなければ、こんなことにはならなかったんだ」
「そうかもしれないニャ~」
「どっか行ってくれ」
僕は近くに投げられていたカバンを持って歩き出した。
帰ろう。
ちらっと後ろを振り返るとラコルがついてきていた。
どうでもいい。
ぐす。
鼻水が出てきて僕はすすった。
どうしてこんなことになったんだろう。
なんでこんな目に。
誰のせいだ。
ラコルだ。
校舎を回り玄関の方へと出る。
涙が出てきた。
今頃、あの男たちはキララに何をしているんだろう。
彼女は無事だろうか。
学校には先生がいるから。
言いつければなんとかなるはず。
僕は、何も出来ないんだ。
関係無いんだ。
校門を出る。
出たところで、僕はむせび泣いた。
「うえぇぇぇぇぇぇぇん」
「ニャ、これまで」
ラコルがメモ帳を閉じた。
「シクラ」
「ぐす」
「あたしは、ご主人様のもとに帰るニャ」
「ぐす」
「貴方の物語は、正直がっかりだニャ」
「ぐず」
「お別れだニャ」
「うえぇぇぇぇん。うぇぇぇぇぇん」
「最悪だニャ」
ラコルは走って行ってしまった。
僕は。
これから。
どうすればいいんだろう。
物語は、これでおしまい。