レベルアップ
2019/7/24/21:30 ふむふむ。
朝、自室のベッドで目を覚ます。
目覚まし時計代わりに、
「ニャンニャカニャーン! ニャンニャンニャンニャンニャカニャーン!」
ラコルが盛大な祝福? の声を上げてくれた。
僕は布団から出てベッドに座り目をこする。
「ラコル、ちょっとうるさいよ」
「うるさいニャ? そんなことよりシクラ。おめでとうだニャ。レベルが1から2にアップしたニャ」
「レベル?」
僕は頭をかしげる。
「うん」
「ああ、昨日の朝言ってた、ステータスとか言う」
「うん。シクラは昨日、あの図体のでかい男を倒したニャ。そのおかげで経験値が入って、レベルアップしたニャ」
「そっか~」
「うニャ? うれしくないニャ?」
今度はラコルが首を傾ける。
「うれしくないというよりも、僕はまだそのレベルとか、よく分かってないんだと思う」
「とにかく伝えるニャ」
「うん、分かったよ」
僕の現在のステータス
シクラ LV2
力 8
固さ 6
素早さ 8
知能 12
運 11
HP 19
MP 9
攻撃力 9
防御力 8
容姿 88
武器 学生カバン。筆箱。制汗スプレー。
装備 学生服。ミロの靴。
スキル ちくる。
魔法 スタンガン。
アビリティ 読者の力。
LVが1上がったおかげでステータスも少し上昇したようだ。それにしても情けないスキルである。魔法を覚えたのは心強かった。
ラコルは言った。
「他にも、LVが1上がるごとにスキルポイントを好きなところに10振り分けることができるニャ。何にするかニャ?」
「それは、力が良いんじゃないかな?」
力が増えれば攻撃力が上がると思う。敵に与えるダメージを増やすのが強くなるための近道に思えた。
「ぶぶー、素早さに全振りするニャ」
「な、なんでかな?」
「いつか分かるニャ。10振ったからシクラの素早さは18ニャ」
「わ、分かったよ」
僕は学生服に着替えた。一階に下りてトースターでパンを焼く。ラコルの分も焼いた。彼女は牛乳が好きらしく、マグカップいっぱいくんでやる。ちなみに僕の両親はいない。その事情については、また時間がある時に説明させて欲しい。
朝食が終わると、冷蔵庫から弁当箱を取り出す。昨日の夕食の残り弁当である。それをカバンに入れた。
家を出る。