第5章の主な登場人物
孤独の魔人・モナクスタロ(No.7705)
札を反対に読まれSOLL→ソルと名付けられる。濃い紫の髪と紫と水色の目の少年。
孤独の悪魔・モナクスタロとの魔人生成実験の末に捨てられた。不完全ながら統合を果たし、完成形に近づいたからか、魔力量、操作精度は急激に成長を見せた。角、右腕と悪魔の印象を持ち、少し腹立たしく思っている。
己の喪失のきっかけとなったアラストールが、再び奪って行くのを危惧し、成長する前に滅ぼそうと再び旅に出た。
シラルーナ
白い忌み子で犬の半獣人の少女。小柄だが器用。
白い体質は魔力を受け入れやすく、悪魔に好かれた為、悪魔を呼び込む忌子として追い出される。獣人の国で自信を付け、ケントロン王国では度胸も。憧れに並ぶため、強くなる心を持った。
タフォスの街で両足と左腕が石化し、両親の死を突きつけられる。仇に命を救われ、自らの選択により命を落とした彼のことも、頭から離れはしない。彼女の過去は、まだ許されていない。
絶望の魔人・アルスィア
左の額から長い一本の黒角が伸びる、長い黒髪の目付きの鋭い男。不機嫌そうな表情が基本だが、端正な顔立ち。無論、赤い瞳。
名持ちになった魔人。嫉妬の魔獣から取り出した嗜虐を取り込み成長したが、不安定になった存在を保つために、已む無く肉体を得た。その際に風の特性も入手する。
しかし、尽きぬ絶望は人の富んだ感情を得た彼には、不快なものであり。悪魔であることに嫌気が差し、より一層と「進化」を求めて彷徨っている。人間の技術と文化は悪魔の頃には力に出来なかったものも多く、手の届く範囲にあるものに執着を見せることも。
オルファ
半獣人の女性。シラルーナの九つ上。北の方に位置するメガーロには珍しく、かなりの薄着であり動きやすい物を好む。身につけるものは少ない方がなお良い。
虎の獣人の母を持ち、物心着く前に死別している。父の顔は知らない。正確には、記憶にある顔のどれか分からない。
商人として働いていたが、後ろ盾もない中では腕っ節で渡り歩いていた側面もあり、あまり話術や需要に聡い訳では無い。シラルーナのかつての恩人であり、互いに心配していたようだ。
トクス
エーリシの街で傭兵団「白い羽根」に所属する傭兵。古株であり、その腕は確か。妻子を大切にする父でもあり、年下を甘やかす傾向も。
弓の扱いに秀でており、皆が武器を変えたあともずっと弓を取り続けている。それは過去の後悔なのか、それともかつての高さを忘れずに飛ぶためか……折れた片翼の羽が、どこまで出来るのかは、誰も分からない。
ミフォロス
かつてのソルの師であり、身体の使い方や社会の過ごし方を教えてくれた人物。驚異的な膂力を誇り、握力と腕力は人のものでは無いと言われるほど。
人死から離れたくて、魔獣の討伐や撃退を主に請け負う傭兵であり、年々その手際は上がっている。面倒見はいいが、過去になにかあるらしく、あまり弟子や後輩は取りたくないらしい。
身の丈を越すような大剣を主兵装とするが、両手でも扱えそうな幅広の剣を二刀で使うこともあるらしい。しばらく使っていなかったようだが……
御者の男
盾と槌を使う、軍用馬車を所有する男。美しくも逞しい白い牝馬と旅をしている……らしい。
トクス曰く、「白い羽根」の前身となった傭兵団の一人らしい。黒い毛並みの狼の獣人を探しており、南から出てくる獣人を軒並み憎んでいる獣人絶対殺すマン。
宿屋「白い翼」とは、かなりの接点があるようだが……?