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魔法少女に告白されたら平凡な生活は崩壊するに決まってる  作者: 舞原涼
序章 講習中のある日に
1/5

すべてが崩壊したあの日

いきなり違うジャンルに手を出し始めました。

適当に読み流しても、まじめに読んでも可。

そんな、軽い存在として受け止めてください。

西暦2025年3月29日。俺の人生は180度変わった。

なんの取り柄も、趣味も特技もない平凡な男子高生だった俺、恵庭紡の平和かつ超平凡な学校生活は終わりを告げた。

まさか、あんなことになるとは――


「お前今日も特別講習ー?」

そんな、いつもと変わらない級友からのラインに既読を付けながら地下鉄駅を歩く。

「そんなん聞かなくてもわかんだろ」と返す。特別講習ってのは、「赤点及び赤点すれすれの者にたいする講習」だ。ちなみにこれに出ないと、進級できない。げに恐ろしきシステムである。

「はあ……空から美少女でも降ってこねえかな……」

そんな、あり得ないこと(ここは地下なので、そもそもそんなことは起きない)を考えながらもグダグダと歩く。


はあ。やる気ねえ。赤点すれすれが34点とかなら俺は文句は言わねえよ。48点って赤点すれすれか? 違うよな。四捨五入したら50点だ。

だがうちの鬼畜にして筋肉バカのとある教師は「十の位を四捨五入したら0点だろ」とか言いやがって。あのやろーが。そんなおかしい計算式があってたまるか。

そう思い、俺はいつも通りの通学路で学校に向かう。


ここまでは何もなかった。

だが、地下鉄から降り、乗り換えるため歩いている途中でそれは起きた。

視界に何やら顔を赤く染めた少女が見えた。どうせ、俺みたいな顔面偏差値、50! と言われるようなやつじゃなくって、イケメンにでも告白すんだろ。

そう思い、その少女の前を早足で通り過ぎ――

ようとしたそのとき。

「あの!」

周りを見渡す。俺以外に人がいることにはいるが、大体いい歳した、サラリーマンたちがけだ。

「俺?」

「はい」

って言われてもなあ……俺に用事がある女子とか。ありえんだろ。どうせあれだろ? この人見ませんでしたか? みたいなやつだろうな。

「えと、私と付き合ってください!」

「はあ!?」

これがまた、百人に一人みたいな美少女で。とても俺とは釣り合わないはずの少女が俺に告白するだと!

……いや、待て。これ、告白じゃないってパターンか? 「付き合って」とか言っておきながら買い物とか。

っつっても俺はこの子知らんがな。制服も見たことない奴だし。


「これから学校ですか?」

「ああ」

っていうか時間がやべえ。あと20分か。間に合うか?

「それなら、――《ストプラ》!」

一瞬少女の体が光った。

「ん?」

「時間を止めました。これならいいですか?」

「ああ」

ああじゃねえ! 時間を止めました、だあ!? なんだよそれ!


「私は今のように、魔法を使うことができます。私のそばにいると、不幸に巻き込まれるかもしれません。それでも!」

少女は一度息を吸い。

「私と付き合ってもらえますか?」

――魔法少女、とでもいうのか。どんなアニメだよ。ってかこれさ、明らかに事件に巻き込まれる奴だよな?

とはいえ、こんな可愛い女の子を逃すわけにはいかねえ。

「ああ。任せとけ。不幸には慣れてるからな」

別にそんな特技はない。

「あ、ありがとうございます!」

「ってかそろそろ時間がやべえ。ごめん、これ俺の連絡先だから! それじゃ」

走る。魔法の効果が切れたのか、周りの時間が戻る。

全速力で走った。


――30分後。

「恵庭ァッ! 貴様何たるんどるか!」

予想通り筋肉バカに怒鳴られた。

「ああいえすみません。魔法少女に告白されたもんで」

「魔法少女、だと……! なんて羨ましい!」

頭のおかしなことをいっているのは(筋肉バカからすりゃ俺もか)、敷島充。こいつはあれだな。頭がいいほうの特別講習だな。高1のくせに、数Ⅲじゃないと面白くないとか言い始めるキチ〇イだからな。

かなりのイケメンで、運動もできるが、重度のアニオタだ。


「バカ野郎! んなもんがいるか!」

「先生。宇宙人がいる可能性がある、というのと同じですよ」

これは敷島の言葉。

「……敷島。貴様まで頭がとち狂ったか」

窓の外が暗い気がする。

「先生!」

「ん?」

「「こ、これは……」」

意図せず敷島と言葉がかぶる。

「「ワイバーン!?」」

そうとしかいいようのないモンスターが確かに、そこにいた。

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