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斧使いのジャック  作者: 中場レイ
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1話 旅のはじまり

ここはエクスアリス王国の下町、フランネル。


物凄い勢いと共に、白い壁に巨体の男がふっとばされる。


大柄な体格で顔に傷が入ったいかにも山賊風の強面。筋肉質の強硬な身体は凶暴さを示している。もし一人で遭遇したらひとたまりもないだろう。


しかし先ほどまで薄笑いをうかべていた男は、今は3mほど先の壁にのびていた。


彼の連れらしき2人も呆気にとられながら殴った男をゆっくりと見る。


「て......てめええええ!何しやがんだ!」


最初にきんきん声を上げたのは2人の内、5等身ぐらいの小柄でひょろひょろした猿のような男だった。


「お、お前...よくも俺の仲間をやってくれたなあ?何もんだ兄ちゃん!」


続いてもう一人、今度は褐色の肌に筋肉質の身体。頭のてっぺんに短く髪を残したゴリラのような男が言った。


「何もんだろーがあんたらには関係ないだろ。あ、前の国では山賊狩りで有名だったかな。まあ元いたところのことなんか忘れたけど」


少年は気だるげに言って遠い目をして呟いたが、すぐに視線を山賊に戻す。


「ま、いいや。とりあえず一発......と言わず、二発くらい殴らせろ。そんで失せろ」


「ふざけてんのかてめえ!大人しく金目のもん出してりゃよかったものを。山賊狩りなら生かしておけねーな」


少年の挑発に青筋を立てて言うと下品な笑みを浮かべ少年を見下ろす。


「そうだそうだ袋叩きにしてやらぁ!」


もう一人小柄な身体つきの男もそう言うと、ふところからナイフを取り出し、少年の腹めがけて躍りかかる。少年は刃物からよけて相手の横っ腹にストレートを放つ。拳は見事に直撃。殴られた男は地面に倒れこみ悶絶する。

驚いていた別の男もすぐに背後からかかってくる。しかし弧を描く少年の足先が男の側頭部を打ち抜いて、壁に叩きつけられる。


さっきままでうるさかった部屋にまた静けさが戻る。


少年は3人が動かなくなったのを確認すると、卒倒している猿の間をまたいで足場の良いところに出る。そして倒れている山賊の方をちらりと見た。


「あーあ」


小さく舌打ちをして無愛想に言い捨てる。


「やっぱつまんね」


彼は冷ややかな声で愚痴を呟くとその場を後にした。



外に出ると、暖かい空気が肌を通り抜ける、

背後から日差しが身体を擦り抜け、足元にくっきり黒い影を残した。頭上には雲ひとつない青い空が広がっていた。ジャックは舗装されていない土にまみれた地面を歩き始める。


あたりは雑草があちこち生えて木々が数本あるだけの荒地になっていた。住居らしきものはさっきアジトの他に一つも見えない。ふと水の音が聞こえた。右側にいってみると次第に木がなくなっていって、川が見えた。川はゆっくりさあさあと音をたてて流れている。水底が見えるほど川の水は透き通っていて、日の光が反射し水面がキラキラ光る。向こう岸は四角形の形をした家がずらりと上流の方向に肩を並べて建っていた。そのまま川に沿って歩く。


しばらくすると数分もしないうちに街があらわれた。

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