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第四話 少女と命名

「荷物って・・・」


 やっぱりこの少女のことだったのかよ・・・

 具体的に荷物をどうすればいいかわからん・・・

 そもそも荷物といっていいものなのかも分からん・・・


「てかもうこんな時間じゃねぇか!」


 時刻は十時二十分を指していた。

 幸い大学は二限からだ、急げば授業開始にはまだ間に合う!

 俺はそう思い神からの荷物?を家に置きっぱなしにして出かけた。



「ふい~、どうにか間に合った。」


 ギリギリで授業に間に合った俺はオネイロスからもらった能力について考えていた。

 一体何の能力をもらったのか?なぜオネイロスはあんなに喜んでいたのか?

 色々な思考が俺の中で飛び交っていた。


「じゃあここ学籍番号8番の人、前に出て黒板に答えを書いてくれ」

「はい」


 学籍番号8番は俺の番号だ。

 席を立ち俺は驚いた。

 これは誰でも驚くだろう。なんでかってそりゃあ人の頭に吹き出しと文字が見えるからだ。


[早く授業終わらないかなあ]

[今日はいい日だ、何かいいことがありそう]

[腹減った]


 こんなこと皆は普段思っているのか・・・


「これが神の力」ボソッ・・・


 その瞬間だった。


 ピッピッピッ


 謎の機械音。

 俺の周りにいた人の吹き出しの中身が変わっていく。


[神とかイタイやつ]クスクス

[・・・]クスクス

[神の力とか精神的にやられてるな・・・]


 俺は恥ずかしくなり教室を飛び出してしまった・・・


「は~・・・やっちまったな」


 教室を飛び出たことを悔やみながらオネイロスからもらった能力が本物だと確信を得た。

 確信を得たからこそもう一つの能力がなおさら知りたくなる。

 使いたいとかではなく、暴発防止のためだ。

 そんなことを考えていると、


「お兄ちゃんこんなところで何してるの?学校は?」

「色々あってかえってき・・・ってお前は!」

「やっとお兄ちゃんの顔が見れたよ~」


 少女は無邪気な笑顔でそう言った。そう荷物で送られてきた少女が。


「あっ、まずは自己紹介からだったね。私の名前は・・・あれなんだっけ?」


 どうやら自分の名前が分からないらしい。


「あはは、名前分からないから名前付けてよお兄ちゃん」


 いきなり名前を付けろだと?

 なんなんだこの少女は・・・

 こんな状況にあきれているとどこからともなくオネイロスが現れた。


「なんかお困りかね」

「この荷物しょうじょ が自分の名前が分からないんだとよ」

「当たり前だこの子は生まれたばかり、自分というものが何もないのだ」


 マジかよ・・・

 つまり赤子同然ということか・・・

 ということは俺がこいつの親?


「そういうことになるな」

「だからしれっと俺の考えてることを読むな」

「我にも貴様と同じ能力があるのだからしょうがないだろう」

「神はなんでもありだな。しかし名前といってもどう付ければいいんだ。」

「お兄ちゃんがつけてくれるならなんでもいいよ」ニコッ


 まぶしい笑顔だ、俺にはもったいないくらいに。

 しょうがないから名前をつけるとするか。



「お前の名前はヒカリ。折田ヒカリだ!」


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