第三話 能力と荷物
「おっと部屋が書類でいっぱいになってしまったな。少し広いところに移動しよう」
そういうとオネイロスは広大な草原地帯に俺と書類ごと瞬間移動させた。
「ここなら思う存分能力が選べる」
オネイロスはなんだか楽しそうだが、
「この書類から能力決めるの?多すぎて探すだけで日がくれそうなんだけど・・・」
「文句を言うでない能力が欲しいのだろ?」
「分かったよ」
めんどくささよりも能力というものに俺は引かれてしまい結局欲しい能力を探し始めてしまった。
~十分後~
俺はあっさり欲しい能力っぽいものを見つけてしまった。
ぽい、といったのには理由があるなぜならその能力は・・・
“四六時中自分の半径三メートルにいる人の考えてることが吹き出しとして頭の上に出てくる”
不便すぎるだろ・・・
視界には人の考えてることが四六時中書いてあるとか・・・
「なあオネイロスちょっといいか」
「なんだ折田聡よ」
「この能力なんだけど・・・他にこれと似た能力ないの?」
「ないぞ」
「マジか~」
俺はその場に倒れこんだ。
その時だった
『契約完了これより折田聡はこのライアージャッジメントの能力を得ます』
な、なんでこんな能力といきなり契約されてんだよ俺は!?
「やってしまったのお折田聡よ。この書類は契約書も一緒になっているタイプの書類でな破ることで契約
を結ぶことができるのだ。きっと寝転がった拍子に書類が破れたのだろう。」
うわー!
おれの体は謎の力で宙に浮き契約書は俺の体に吸い込まれていった。
「こんなことがあっていいのか・・・」
地面に降りた俺はうなだれていた。
まるでハズレの能力をもらったかのように・・・
ん?ハズレの能力?じゃあもう一つはあたりの能力だ!
「オネイロス!お前が選ぶ能力を俺が選んでもいいか?俺は今ハズレの能力をさずかっt」
「だめだ。別に当たりハズレといっても自分で選べるか選べないかの差しかないからな。しかも二つともこの書類からしか選べないことになっておる。」
やっぱダメかもう一つの能力はいったいどうなってしまうのだろう。
「もともと人間に与えていい能力は一つだけと神のセカイで決まっておるのだが荷物が荷物なだけに特例が出たんだから喜ぶべきじゃろ。」
天は二物を与えずということわざ通りだな。
そんなこと思いながらオネイロスを待っていると、
「これなんてどうだ。いいんじゃないかこれにしよう。」
と、ひとりで喜んでいる。
「何でもいいから早くしてくれ学校に遅れちゃうよ。」
「分かった今から儀式を行う。」
「紙破くだけじゃないの?」
「特例といったじゃろ。特例の場合儀式が必要になるのじゃ。」
と言いながらオネイロスは、魔法陣で俺と紙を囲い呪文を唱え始めた。
『我々神の移行によりこの者に第二の才を与える』
そうするとまた俺の体は宙に浮き契約書と融合した。
「これで貴様には第二の才が譲渡された。今から部屋に戻すが何か聞きたいことはないか?」
「荷物ってなんだ?」
俺は率直な疑問をオネイロスに投げかけた。
「部屋に戻ればわかるぞ。」
その瞬間俺は自分の部屋に戻った。
そしてその横にはさっきの少女と手紙があった。
手紙には、
『お荷物です
オネイロス』
と書いてあった。