第1話再起動《リバース》
本日2話目です
最初に感じたのは風だった。次に光、音、匂い。カメラアイを起動そこは草原だった。何が起こっているか分からない。確かに俺は施設の爆破に巻き込まれ機能停止した筈だ。それが何故見たことの無い草原に居るのだ。
「自己診断プログラム起動、同時進行で身体チェック」
この時俺は焦っていたのだろう。わざわざ声に出さなくても出きるとことを声を出してまでやっているのだから。
俺が行った自己診断の結果は異常無し、俺の本体である脳は勿論。機械の身体、機甲骨格の隔壁によって潰された脚も元通り一切の異常は見つからなかった。
「そんな馬鹿な、いくらナノマシンによる自動修復があったとしても…」
俺の装甲骨格は確かに通常の物と違い特殊な装置も付いており他の機械兵士や機械人形と違って修復速度もかなり早い。それでもあれほどのダメージを修復するとなると、修復してもナノマシン残量が減っている筈である。それが減って無いのが驚愕なのだ。
「残量が減って無いナノマシンやどうして俺が起動しているのか知らんが…此処は一体何処だ」
俺は面倒臭いことは置いといてマップを起動する。…何だよ面倒臭いことは置いといていいじゃないか。そういうの深く考えない方だし…お陰で妙に人間に似てるって思われてAINとして見られていなかった過去を持つけど…
俺が起動させたマップには本来は施設周辺の地図が映される筈だったがそこに映っていたのは“NoDeta”の文字だけだった。
「あれ?地球どころは太陽系の惑星なら地図は全域把握済みなのに…NoDetaって取り敢えずマッピング開始にしても緑豊かだなぁ」
取り敢えず周辺の地形をスキャンしマップを作成する時間の合間周りの風景を眺めていたが気になるものを発見した。ちょっと遠いので拡大して見たのだがその気になるものの正体を見たとき俺は言葉を失った。
蜥蜴を巨大にしたかのような身体にその存在感を主張するかのようなこれまた巨大な蝙蝠の翼、様々物を切り裂けるであろう爪。そしてありとあらゆる物をも噛み砕けそうな顎に牙、それは様々な創作物に登場し伝説の存在感。正しく
「ド、ドラゴン?じゃ、此処ってま、まさか…異世界⁉」
俺こと、AINの末っ子アルトハインはどうやら異世界に来てしまったようです。
コメント、評価お待ちしています