Mission1.試験
初めての人は初めてまして!お久しぶりの人はお久しぶりです!
まずは読んでいただける事に感謝致します。
誤字脱字などあるかもしれませんし、拙い文章かもしれませんがどうぞよろしくお願いします!
誰もが、その光景…いや、出来事に目を疑った。不気味な姿をした化物までもがその動きを止めている。
驚愕、好奇、嫌悪…様々な感情が渦巻くその中心。そこにいる全員の視線を集めた、返り血で顔を真っ赤に染めた青年が口を開く。
「こんな小物ひとつも倒せぬとは…神も落ちたものよ…おっと、自分で自分を陥れてしまっておった」
青年に合わぬその口調。それもそうだ。普段の彼は、内気で優しい性格で口調も相手に語りかけるように穏やかで優しいのだから。
青年は手にした自分の身長を遥かに追い越す大太刀を軽々と一線する。
「さて、そろそろ片付けなければならぬの」
クスリと嗤ったその笑みはオモチャを貰った幼子のようだった。
***
「神居 国彦。前へ」
「はい」
真剣な面持ちで青年が前へ歩み出る。青年の前に足を組んで座る女性は手元の資料を弄びながらその青年を見やる。
金髪碧眼。長さはセミロング。左耳に2つのひし形が連なった青色のイヤリング。男女兼用の候補生用制服である漆黒の軍服に身を包み、その顔は誇りに満ちているようだった。
女性は青年を見やり、口元を愉快そうに歪めた。
「此処は政府が所有する軍隊ではない。『忌鬼』を討伐し、『神狩り』と『禁忌』を食い止める事を目的とする単なる組織、正確には無公認の軍隊といえばいいだろう。世界中から政府によって集められたとはいえ中途半端な組織だ。本当は“戦闘支部第十五期候補生”なんてのは新人の肩書きでしかない……そんな軽いトコロだぞ?良いのか?」
「………はい、ここに呼ばれた時から決意は変わりません」
多少の間が気になったが女性は満足そうに笑った。女性は手元の資料に目を向けながら青年に気になっていた事を問った。
「ところで神居。お前の武器は?資料には身の丈を遥かに越え、引きずってしまうために普段は保管してあると書いてあるが…まぁ、一部そんな候補生もいたから許そう。だがな、神居。お前と契約を交わしたと云う神は何処だ?いくら他の試験で成績が良くても自らの臣下を最終試験で連れて来ないと失格になるぞ?私達は臣下となっている神も見定めなければならない」
「あ…あの…その事、なんですが……後ろ…」
「は?」
青年の言い訳のような言葉に女性の口から思わす低い声が出る。青年がそれにビクッと肩を震わせた。それに資料から目を上げ、青年に申し訳なさそうに女性は軽く頭を下げて謝る。そして不思議そうな視線を青年に向ける。青年の視線は自分を通り越して彼の言う通り、後ろに向いている。
「なんなんだ一体…」
怪訝な顔をしながら自分の後ろを振り返った女性は息を飲んだ。青年はすまなそうに笑った。
〈おやおや…妾を見定めるのではなかったのか?人間よ〉
「………」
女性の目の前には空中に浮かぶ美形の男性がいた。一瞬にして我に返った女性。普通、人間は空中を漂わない。女性の目の前にいるのは青年の臣下である神だ。此処に顕在する神のほとんどは美形であり空中浮遊と普通の人間と同じ歩行を移動手段としている。ただし全ての神が人間と同じ姿をしているわけではない。まぁ詳しい事は後ほど。
さて、女性は青年と男性を暫し見比べた後、クスリと笑って言った。
「上出来だな、神居。こちらの臣下の名は?」
〈お主如きに妾が名を告げるとでも?小賢しいのぉ。国彦、絶対に言うてはならぬ〉
「おや、嫌われてしまったかな」
「す、すすすすいませんっ!!」
嫌味ったらしく、傲慢に言い放つ男性の言葉に女性は顔を歪めるでもなく、おかしそうに笑う。青年は怒られると思ってか勢い良く頭を女性に向かって下げたが。
「気にするな気にするな。こんな事で怒っているようではお前達の最終試験官及び教官は務まらない」
「え…?教官、なんですか…?」
「知らなかったか?まぁ、お前達が合格したら知る事だな」
女性は頭を上げた青年と彼の近くを漂う男性を見て、立ち上がり、終了を告げた。
「『禁忌』対抗専門組織・戦闘支部、最終試験、これにて終了。気を付けて帰るように」
今から数千年前
世界が『禁忌』を犯した。世界は『禁忌』をあるお社に封じ込め、その恐ろしい力を奪った。
そして『禁忌』を犯し、封じ込めてちょうど千年が経ったその日。
『禁忌』を封じ込めたお社から『禁忌』の分身である『忌鬼』が逃げ出してしまった。『鬼忌』は『禁忌』を解放するために世界に顕在する神を狩る、『神狩り』を始める。世界に顕在する神全て狩られてしまえば世界は『禁忌』を犯した贖罪、滅亡を受けなければならない。
しかし、『忌鬼』には弱点があった。それは人間と契約や縁を結んだ神である。契約や縁を神と結んだ人間も『忌鬼』にとって脅威である。
そこで世界中から神と契約や縁を結んだ人々を集め、『忌鬼』に対抗する組織を設立。
その組織は『『禁忌』対抗専門組織』と云う名だがいつからかその名はあまり使われず、内部のみで使用されるようになった。外部での組織及び組織関係者は『禁忌祓い』と呼ばれている。『忌鬼』との戦闘を主にする戦闘支部は隊ごとに異名が付けられ、その名で呼ばれていた。
だが重要な『禁忌』の正体は誰も分からなかった…
**
〈国彦、早よ行かなくては遅れるぞ?〉
「ま、待って灯茉」
ふよふよと空中を漂いながら前へと飛ぶ美形の男性。その後ろを急いで着いて行く青年。その青年は両腕に抱きかかえるように自分よりも大きな大太刀を持っている。
青年、神居 国彦は無事試験を合格し、戦闘支部に入った。その後、『禁忌』対抗専門組織の寮に移り住んだ。準備やら点検やらで一週間が経過。そして今日から一ヶ月間、候補生は『禁忌』を倒すために厳しい訓練を受ける。訓練最終日には戦闘支部の数ある隊の隊長が候補生の実力を見学しに来る。そこで自分の持つ力を発揮する事で自分の所属が決まる。
そんな大事な訓練に国彦は少しではあるが遅れそうになっていた。
〈国彦は遅いのぉ〉
「ムッ。灯茉は飛べるから速いんだよ?」
〈おや〉
クスクスと国彦の臣下である神が愉快そうに笑う。
国彦の臣下である神は名を灯茉と云う。銀色のショートで碧の瞳。右耳に国彦と同じ、2つのひし形が連なった青色のイヤリングをしている。服は椿が散りばめられた花魁が着るような、肩が出ている赤い椿と白を基調とした着物で露出している足全てを覆うようなヒールが高いブーツを履いている。
国彦とお揃いのイヤリングは灯茉と彼の契約の証だ。
急ぐ国彦を灯茉は空中を漂いながら急かす。すると目の前に目的地が見えてきた。国彦は灯茉を追い越してその目的地に向かって駆け込んだ。
ちゃんとした主人公がいる物語書くのは久しぶりかもしれません…大体が主人公”勢”括りだったので。
あともしかするとジャンル変更するかもしれませんのでご注意ください。作者がジャンルこれでいいのか不思議なんです…
頑張ります。




