表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
野中の目まぐるしき日々  作者: ぞえ
1/8

1

暑い。

暑すぎる。

何が楽しくて、こんな暑い中ゴキブリ共の駆除をしなければならないのか。

それもこれも、この湖東高校の先代、今村百治が提案した文化部対抗夏のゴキブリ駆除大会が今年も開催されたためである。

今年で第99回目を迎えるこの大会は、毎冬全国のサッカー小僧が国立競技場を目指し死闘を繰り広げる全国高校サッカー選手権よりも歴史があるのである。


我々、カロム部も第1回大会から参加しているものの優勝はなく、今年こそと顧問の大町先生は躍起になっているが、残念ながらカロム部にはゴキブリと対等以上に戦える男気のある猛者は1人もいないのである。そもそも、カロム大会でも勝ったことはない。

「おい野中、向こうに花道部がいるぜ」

我がカロム部の部長、辻信也が指を指したほうを見てみると現在7連覇中の花道部のエースの藤原さんが数十人のギャラリーを従え、ゴキブリ共に正義の鉄柱を下すところだった。

般若のような形相の藤原さんは、お気に入りの星柄のTシャツを巧みに使いゴキブリを数匹くるむと左の素足で目にもとまらぬ踏みつぶし攻撃をしている。

亡骸をビニール袋に入れると、青緑色の染みの付いた星柄のTシャツを着てこちらの方へ悠々と向かってきた。


すれ違う藤原さんはほんのりとゴキブリの香りがした—————————————————————————

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ