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二女

「ねえ、あの噂知ってる?」

「何々」

 昼休みが終わる。太陽が沈む。ぐらぐらと、視界が歪んで……。


 途端、吐き気に見舞われる。トモコの話をききながら、必死にそれを抑え込んだ。

 放課後の夕焼けに照らされながら、私たち二人は話していた。

「だからぁ、夜0時の学校だって」

 怪談話を続けるトモコ。わかった。わかったから、行くから。

「あぁ、私怖いの苦手」

「でも、やるよ」

 昨日もそんなことを言っていた気がする。深夜0時の学校に侵入。音楽室に行くと地下への扉が確かにあった。それにしても、頭がグラグラして……。うー、気持ち悪い。

「やだよー。怖いよー」

 半分グズってトモコを見る。涙ぐんでいるのは怖いだけじゃなく、体調が悪いせいもあったのだが。

「あかん、やるよ」

 御無体な。まあわかっていましたよええ。


 今日もまた地下に下りていくのか。あれ? 今日『も』? 昨日は何していたんだっけ。音楽室に行くのは初めてなのに。私は違和感を感じていた。

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