第一話はじまりはじまり〜♪
第一話はじまりはじまり
晴れた日は日差しを浴びながら
机に向かいお気に入りの万年筆で
物語を紡ぐ
「小説家ソライロは
昔一度だけ大当たりを出した。
大いなる代償とともに…。
凡人が英雄の称号を
手に入するには
功績、経験値が少なすぎたのだ。
過ぎたるは及ばざるが如し
文字通り現在ではあまり面白くないー
かと言ってつまらなくない微妙なラインを
上がりもせず下がりもせず
過去の栄光にしがみつきながら
小説を書くのであった。」
黒猫パンはソライロの肩で
ソライロの原稿を開きながら
嫌味をこぼす。
「わかってますぅー!
そんなの全然わかってますぅ!」
ソライロは大人気なくキレる
欠伸しながらパンは呟く
「そういう拗ねる所も
大物になれない証だ」
ソライロは拗ねながら原稿にしがみつく
「はいはい♪お茶ですよー。」
ソライロの妻サクラはほそぼそとした
丁度いい湯加減の湯呑みに
センベエを添えて
お盆ごとサイドテーブルに置いた。
「パンちゃん今日も切れ味抜群ね♪」
小皿に入れたカリカリを
パンの頭を撫でながらそっと置く。
「サクラちゃん、ありがとう。後でミルクも所望する」
パンはシュッとかしこまり望みを告げた
「ほどほどにね二人とも。」
ドアがひしめく音にパンが言う
「こういった日常の音、光、空気も拾えるデカい男になるのだぞソライロ」
笑われている
ー猫に
猫なんかに、、、
ソライロは下唇をかみしめた
台所ではミルクを温めるサクラが
棚の上の小皿に水を張った
逆さまになった大根の根っこを眺めていた




