【第21話】ゆらぎの帰還、まばたきの街
こんにちは、読みに来てくださって本当にありがとうございます
物語は第3章に入ります。
世界は少しずつ変わっていきますが、
どうか変わらない“あなた”のペースで読んでもらえたら嬉しいです。
水分補給を忘れずに、
暑さにも気をつけてくださいね
──光の霧を抜けた先、視界が一瞬だけ白く染まった。
まるで夢から覚める直前のような、ふわりとした浮遊感と、胸の奥がひんやりと冷える感覚。
蒼波がまばたきをした次の瞬間、目の前には“日常”が戻ってきていた。
「……帰ってきた?」
そう呟いた声は、自分のものとは思えないほど掠れていた。
目の前には見慣れた街の景色。人の声。車の音。コンビニの看板。
それらが確かに存在しているのに、どこか現実感がない。
ついさっきまで、自分は異界の中にいた。
分岐する橋を歩き、霧の奥に足を踏み入れた……はずなのに。
ポケットの中でスマホが振動した。
取り出すと、画面には「8月2日(土) 10:08」の文字。
時計はちゃんと動いているし、時間も……おかしくない。
「……夢だった、のか?」
でも、ポケットには、あの異界で拾ったはずの“石”が入っていた。
小さくて青い、波のように揺らめく光を内包した石──現実には存在しないはずのもの。
夢でも幻でもない。
確かに、あの世界に“行っていた”。
蒼波は胸元を押さえて、深呼吸をした。
鼓動は落ち着かないまま、ずっと早鐘を打っている。
(……奏。あのとき、確かに──)
思考がそこで止まる。
なぜなら、目の前の通学路の角に、
見覚えのある髪色の少女の後ろ姿が、
一瞬だけ、確かに見えた気がしたから。
ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます!
いよいよ第3章がスタートしました。
次回も、日常と異界の“ゆらぎ”をお届けできたらと思います。
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引き続きよろしくお願いしますね!




