1.プロローグ
初めての投稿となります。
誤字脱字などがあるかもしれませんが温かく見ていただけると幸いです。
二人の男が狭い石造りの部屋のなかで机を挟んで座っている。机と椅子は地面に固定されており動かすことができず、顔に傷をつけた浅黒い肌の短髪の男は麻でできた服を身につけている。
一方でその対面に座る男はくたびれたシャツに黒いジャケットを羽織っている。
黒いジャケットを羽織る男の名前は、ジャン・リーバ。年齢は30代後半、無造作に伸ばされた黒い髪の毛から除く肌は年相応である。広大な森を有する大国アリストラにおいて犯罪者の取り調べを行う取調官という職についているのである。
「この部屋は、すべて障石という特別な石でできている。市場には流通せず、各国ともにこの石の存在を機密事項扱いしていることから存在を知っているのは限られたものだけなんだ。」
長い沈黙が続いた後にジャンはこう口を開いた。ジャンの前に座っている男は聞き慣れない障石という言葉に僅かに反応する。衛兵に追われ捕まった際に暴れたのか男にはひどい‘火傷’の跡があり、痛みを抑えるために鎮痛作用のある薬を飲のんでいるため意識がはっきりとしないのだ。
「この世界において魔法という存在はどこに行っても消えないが、この部屋では違う。どの魔法もどの魔獣もこの部屋には傷ひとつつけることができないんだよ。そもそも魔法を構築する魔力がここには存在しない。俺はいまあんたの取り調べを行っている。あんたにかかっている容疑は洞窟での2パーティー、合計7人の殺人だ。これを認めればあんたの死刑が決まる。」
「この部屋では痛みを‘きる’ことができない。傷をいやすことができない。俺を洗脳することもできない。自死を選ぶこともできない。」
「ただただ俺が聞くことに嘘をつかずに答えろ。それがお前の人生において自分自身を救ってやれる最後のチャンスだと思うよ」
部屋にあった二つの呼吸音の一つが弱弱しくかろうじて聞こえるようになった。部屋の机や椅子は赤く染まっている。ジャンが持ち込んだバインダーに挟まれた一枚の紙には、男が殺してきた冒険者の名前といままでの殺しでためてきた宝の隠し場所、仲間の名前が記されていた。
「…っよし!今日の仕事は終わったぁ。後できれいに書き直してポストに入れとかないとなー。ここの清掃もやんないとだし早く書類仕事終わらせてこーよっと」
急にフランクな口調へと変わったジャンの体もまた赤く染まっていた。




