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呆気なく追放

誤字脱字、文章が下手な部分もあると思いますが、ご了承ください。

なるべく早く投稿できるように頑張ります!

※カクヨムでも投稿しています


「あっ――」


 大学2年生になる俺、黒野くろの りんは、いつも通り、夜遅くまでアルバイトをしていた帰り、歩道に突っ込んできた車に引かれて死んだ。


 ああ……。

 特に何もない人生だったなぁ。


「――ん?」


 バチッと意識が途切れたかと思うと、俺はやけに明るい場所で目を覚ました。


 ど、どこだここ……?

 病院……にしてはちょっと違うような気がする……。


「――おめでとうございます! 立派な男の子です!」


 何やら周りが盛り上がってるな。

 俺は産婦人科にでも送られたのか?


 とりあえず起き上が……あれ?


「うっ……」


 両手を使って、あれ? 手が小さい?


「ああっ!?」


 俺もしかして……赤ちゃん?

 横を見てみると、母親と思われる人物がベッドで笑顔を見せている。

 そのベッドの横には、父親と思われる人物が立っている。


「――次男だが、兄に負けないよう頑張るんだぞ」


 父親と思える人物が、こちらに向かってそう言ってくる。


 なんだぁ?

 何かの競争でもするのか?

 ってか兄がいるのか。


「それより貴方。名前はどうするの?」


「実はもう考えてきてある。この子の名前はリンドラだ!」


 どうやら、俺の名前はリンドラになったらしい。

 それにしても、部屋も服装も豪華だなぁ……。

 どこかの金持ちか何かだろうか?


「本当におめでたいですね! 国王様!」


 おうさまぁ?




◇ ◇ ◇




 あれからしばらく経って分かった。

 なんと、異世界転生しました。

 時代はアニメや漫画で見たことある、ファンタジーの世界のようだ。

 実際魔法もある。

 しかも俺は王子です。

 なんだこれ?


 赤ちゃん用のベッドに寝かされている俺は、どのくらい動かせるか、色々体を動かしてみる。


 記憶がハッキリしている分、体とのギャップに慣れないな。


「あぅ……」


 やっぱり喋れない。

 まあ勝ち組人生だし、革命とか起きないように、民の方たちに"良い王子"と思われるよう頑張るかぁ。


「――リンドラ! 貴様を辺境の領地に追放する! 王子の称号はなくなり、その領地の領主となってもらう!」


「……はぇ?」


 あれから時は進み16歳になったが……。

 16歳になって間もなく、誰に対しても分け隔てなく接しながら過ごしていた俺は、何故か突然辺境の地へ飛ばされましたぁ。

 もう何が何だか分からん。

 なんでこうなったんだよ〜。


「父上、どういう経緯でこうなったか、教えて頂いてもよろしいでしょうか」


「この国の宝である、『ドラゴンの卵』を奪おうとしたからに決まっているだろう!」


玉座に座る父上の横に立っている、兄上のガーライがそう言った。


 うわ絶対濡れ衣じゃん。

 そもそも『ドラゴンの卵』ってなんだよ。

 飾ってるってことは無精卵かよ。

 食っちまえよそんなもん。


「私はそのようなことをした覚えはありません」


 弁明しようとするが、兄上が一歩前に出てそれを咎めた。


「黙れ! 白を切るつもりか!」


「だから私は――」


「黙れ! 目撃者もいるんだぞ!」


「しかし――」


「黙れ! 我々の信頼を裏切って――」


「犯人お前だろ絶対!」


「2人とも落ち着け!」


 ヒートアップした2人を父上が止めた。


「リンドラを疑いたくはないが、目撃者が多数いるのだ。受け入れてくれ」


「……ぐっ、分かりました」


 こうして、実の兄の手により、俺の王族勝ち組ハッピーライフは終了した。




◇ ◇ ◇




「はぁ……」


 あれから数日の間、俺はまとめた荷物とともに、馬車に揺られていた。


 翌日に追い出すとか、よっぽど出ていって欲しかったんだろうな。

 やっぱり兄弟同士の後継ぎ問題か。

 愛嬌良くしすぎたのが裏目に出たか。


「まっ、前向きに考えるか。これから領地を豊かにすれば、また元に戻れるかもだし。それに、城の暮らしは生ぬるかったしな」


 俺は正直、城を追い出された悲しみより、これから領主として頑張っていくことを楽しみにしていた。


 そういえば、何も領地について教えてもらわなかったな。


「すいません。俺はどこに向かってるんですか?」


 俺は馬車を運転している御者に聞いた。


「私も詳しくは知らないのですが、名は『サイハテ』という領地で、広大な地だと聞いております」


「へぇ……」


 父上ったら、追放とか言っといて、なんだかんだ処罰は優しくしてくれたんだな。


「ただ……」


「ただ?」


「大量に蔓延る盗賊。荒れた大地。生活が厳しい民……。かなり廃れた領地となっています」


「嘘だろ」


「本当のことです」


「じゃあ俺がなんとかしないといけないのか?」


「領主となったからには……」


「ま、前の領主はどうしてたんですか!」


「盗賊に脅されて、いいように使われていました」


「その方はどこに?」


「消息不明だそうです」


 その抜けた穴に俺が入れられたと?

 罰が重くない?

 冤罪だけど、『ドラゴンの卵』ってそんなにヤバイの?

 あと思ったよりこの人詳しいな。


「はぁ……。やることが山積みだな」


「大丈夫でしょうか?」


「あまりこういう体験したことないからなぁ。相当頑張んないと……。サイハテで何か有名なものってあります?」


 何か特産品みたいなものがあれば、それを売りに商売繁盛みたいな展開に……。


「有名なもの……あっ」


「あるんですか!」


「極悪人が収監されてる監獄があります」


「スゥー」


 よし寝よう。

 多分悪い夢を見ているんだ。


 俺は現実逃避して、寝ることにした。




読んでいただきありがとうございました。

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