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1.涙の演劇鑑賞



劇も終盤に入り、今まですれ違っていた王様と王妃様が手を取り合って、何気ない会話をするシーン。



「ひっっく…っく、ひっうう」


「ベアトリス、今、そんなに泣くシーンではなくってよ?」




劇場でひたすら涙を流して周囲から心配されている私…




私、ベアトリス・ニコルソンには前世の記憶があった。



それも今、

気づいたのですが…。





結論から言申し上げますと…

前世の私は今から200年前のこの国の王妃様シャーロット・メルセルディアナで…


王様である旦那様にも最後看取られることもなく、23歳という若さで病死したのです。




そんな私は、今世では前世と同じく侯爵令嬢に生まれ、何事もなく過ごし…

そして現在、

友人達と、長年愛される演劇【〜シャーリー〜すれ違いからの両想い】を観にきていたと言うわけなのですが…




友人はキャッキャと二人の恋物語を興奮気味に演劇を観ていますが、

私はやたらと見覚えがあって、内心、複雑な感情が入り混じって仕方がありません。



なんせこの演劇…

前世の私が死んだ後から有名な演目なのですが…


よくよくパンフレットをみてみると、

劇の作者であるアン・フォスターは、前世の私のメイドだった人物だったのです。



つまり!!

この作品のモデルは、当時の王様(夫)と王妃(私)ということに気づいてしまったのと同時に、過去の情報が流れ込んで、もはやパニック状態ですの!



しかも、最後は想いを伝え合い、しっかりと手を取り合って国をおさめていくハッピーエンドになっていて、

「あの時ああしておけばよかった」と言う後悔や「こんなに幸せだったらどんなによかったか」と言う憧れも頭を駆け巡ってもはや感情のコントロールができないのです。



そういえば、最後に死ぬ前に、アンに【旦那と本当はやりたかったことの話】を話した気がしますわ。






ーーーーーラストは、幸せそうに二人はキスをする。




ゆっくりと両端のカーテンが閉まっていく。




気づけば、劇は終わっていて、周囲には歓声が響いていた。






「っっ最後はハッピーエンドにしてくれたのね…」




そうして、また私の目から涙がこぼれた。


結局、夫であるアルバート様とはうまくいかなかったのですけど、

この劇の中だけでも幸せになれて、私は報われた気持ちになっていた。








そして、この劇を見て私は決めたのです!




今世こそは、権力なんていらないので、将来の旦那様とはちゃんと両想いになりたいですし!


子供の成長もしっかり目に焼き付けたいのです!



前世は戦時中だったこともあり、自分の時間なんてないくらい忙しかったけど、

今は前世の自分の頑張りもあり、とても平和な世の中になっていたので…


今世は絶対に幸せな結婚をして、人生を謳歌するのだと!





内心未来に向かってかなり前向きに考えていたのですが、

結局最後まで、なかなか涙の引かなかった私は、まともに歩くこともできなかったので…

友人に肩を抱かれながら会場を後にしたのだった。


気分屋なので気長に待っていただけると助かります。


コメントなどいただけると頑張る単純作者なので、コメントいただけるとかなり嬉しいです!!


これからよろしくお願いします!

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