動物ヶ原
むかしむかし
動物達の楽園がありました。
ひろーいひろーい原っぱ
ひろーいひろーい青空
ひろーいひろーい水辺
ここには、たくさんの動物達が住んでいる。
楽しくもありまた厳しい世界
このひろーいひろーい原っぱの真ん中に
でかーいでかーい木が立っている。
大昔から立っている動物達を見守りながら。
雨が降れば屋根になり
風が吹けば盾になる
太陽が照りつければ
やさしい木陰になってくれていた……
大昔から…
ある日、人間がその木を切り倒し自分のためだけに家を作ってしまった…
動物達は、段々と住み慣れたこの場所を離れて行ってしまう…
最後までここに残るつもりの動物が言った。
「わしら老いぼれ夫婦が出ていけばここは、お前らの土地となるじゃろう… だがわしらは、離れんぞ!この楽園を人間どもにわたさんぞ!」
「どうせ死に損ないだ…楽になるがいい!バァン!」
あたりに火薬の匂いが立ち込める
「ふん!老いぼれめ!」
人間は、より住み良くするため道を作り
車を走らせて行く
見栄えの良い上っ面だけの物を表面に張り巡らし
美しい楽園を築き上げたのだ
だが…
数々の天変地異がおこり
人間は、いなくなった…
ひろーいひろーい原っぱに
小さな木の芽
命の木の芽
人は、同じ過ちを繰り返して迷い続ける。
何度も…
何度も…
胸を痛め
躓き転ぶ
繰り返す事でやっと気づいていく…
自然と共存しなければ生きられない事に…
ゆっくりと歩き出した人々…
共に手を繋ぎ
ゆっくりと
ゆっくりと
ひろーいひろーいはらっぱに平和がおとずれたのは、大切な事に人がきずいたから。
今、あの小さな命の木の芽はりっぱに大きな木に成長しました。
ゆっくり
ゆっくり
手を繋ぎ歩いて行こう。
ひろーいひろーいはらっぱを素敵な大自然と共に
約束だよ…
約束だよ…
約束だよ!
最後まで読んでくださりありがとうございます。
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天川つばさ