伝説
ふと、小説を書こうと思いついた。もう20代にもなるこのおっさんの高校生時代は言うまでもなく白紙に終わった3年間だ。ただ、こんな時代の傍観者にも、黄金時代はあったのであった。ちなみにノンフィクションである。
余談だがまだ低スペックなノートPCしか持っていないため、スマホで打ち込んでいる。ご了承を。
これは俺が中学二年生の時の話である。当時の自分は人一倍アニメ、ネットに熱狂的だった。お察しの通り友達は片手で数える程しかいない。そんなこんなで始まった中学二年生。俺はデビューを飾ろうと、自己紹介という名の自虐プレイにその1年を込めて、当時流行っていた黄色いカチュウシャをつけた女子高生がヒロインの自己紹介を俺なりにアレンジしてやってみた。結果はどうだ?言うまでもないだろう。アニメ友達が増えた。俺は嬉しかった。そいつの名前は「安田 景斗」見るからに某牛丼チェーン店でチーズ牛丼を頼んでるやつのように見えた。
「名前はなんて言うんですか?」
彼はぺこぺこしながら聞いてきた。
一瞬動揺はしたが、とりあえず質問に答えてしまった。いや、答えざるを得なかったと言っておくべきか。この選択が吉と出るか凶と出るか。
「俺の名前は齊藤 晴人です。」
言ってなかったが俺の名前は「齊藤 晴人」である。
「なにか好きなこととかあるんですか?」
小さな声で聞いてきた。
「アニメと、やりたいことは青春。」
と答えた。
「アニメ好きなの?何が好きなんでんですか?...」
少し興奮していたように見えた。
ガイドライン違反にはなりたくないので作品名は伏せるが当時の秋葉文化の覇権を握っていたであろう作品です。
数分の間推しメンについて喋った。
少したったあと、
「実はさ、俺も、青春したいんだ!」
その瞳にはなにか特別なものを感じた。否、崩壊の序章である。
その後交流を重ね合い仲良くなって来ていた。
「ねぇけいと青春したいんだったらもっと仲間を集めよ」
「激しく同意」
今じゃ少し恥ずいっすね。
ということで、俺たちの目標はまず、青春をすること。これは忘れてはならない。
そのために仲間を集めるわけだ。
と言っても当時の俺達には人望というものが微塵もなかった。
だから、声をかけれそうな人に声をかけてみることにした。
まずは女子に声をかけたかったが当然妄想どまり。基本ですね。
だから、結局は男だ。まず、高身長の見るからに気持ち悪いやつと親しくしてみることにした。
そいつの名前は野尻和生という男に声をかけることにした。
毎度同じく、ペコペコしながら趣味を拷問してみることにした。
趣味は当時絶賛流行中のアキバのアイドルことメイドであった。
やはり声をかけた甲斐があったようだ。
無論やはりアニオタであった。
次は少し陽キャラ感を出しているニキビで顔を覆っている、加藤大凱。行動力のある漢が必要であると俺たちは考えた。
こいつはアニメにはあまり精通していないが、冗談が通じて、かつ、貴重なツッコミ要因である。
最後に1人見るからにチー牛のやつを巻き込もうと試みた。
今まであっさり言ってたものの、頑なに口を開かなかった。だが、協力はしてくれるとのこと。染まらせてやる。因みにこいつの名前は川本幹大。幹大の「た」が大という漢字なのが特徴である。
これが俺たちのプロローグだ。