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ぼくの名前は夢乃飛鳥。
今日から新しい学校だ。てん校するのはこわくて不安だったけれど、すぐに友達ができてよかった。
友達の名前はxx。優しくて、頭が良くて、面白くて、すごく良い人だってすぐにわかった。それに、ふつうの人とはちがう、なんだか不思議な感じもした。
会って5分もしないで、ぼくたちはすぐに親友になった。ただの友達じゃなくて、親友だ。こんなに誰かと仲良しになったのは初めてだった。
xxは、ぼくと同い年なのに、家族が一人も居ないらしい。
それがぼくにとって一番のおどろきだった。
「なんにも問題ないよ。家族なんて、居てもじゃまだし」
お昼休みに、ふたりで窓際によっかかって家族について話していたら、xxは笑いながら言っていた。
「さみしくないの?」って聞いたら、
「全然」と彼はすぐに答えた。
ほんとうにさみしくないみたいだった。
けど、それってなんだかちょっと悲しい気持ちだった。さみしさを全然感じないなんて、かわいそうだし、ぼくとぜんぜん考え方がちがうのもいやだった。
「ぼくは家族がいないと、なんにもできないよ。朝も起きれないし、ご飯もつくれないし
、勉強も時々教えてもらうんだ」
「それは、家族が居るからそうなんだよ。家族が居なければ、なんだって自分でできるようになるんだ」
「へー、本当に?」
「そうだよ。家族なんて、本当はいらないんだ」
「そうかなぁ……?」
家族のことについてだけは、どうしてもxxと意見が合わなかった。ぼくは、やっぱり家族は大事だと思うし、居ないとだめだと思う。
「でもー……xxはどうして家族が居ないの? 最初から居なかったわけじゃないんでしょ?」
「必要ないから、消えたんだ。きっと向こうもせーせーしてるよ」
「うーん、よくわかんないな」
「……そんな話よりさ、この街ははじめてだろ? 放課後に案内してやるよ」
「えー! ありがとう」
「いいさ、おれたち友達だしな」
「うん!」




