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気がつくと、ぼくは相変わらずxxの部屋に居た。
だけどどうやら、あれからすごく長い時間が経っていたらしい。
xxは背が高くなっていたけど、それ以外に違いはなかった。相変わらず部屋に引きこもっていて、一言も言葉を発しない。
この世界にはぼくは居ないということがようやく分かった。
どうしてぼくが居ないのかも理解できた気がする。
この世界では不思議な力も、戦いも無い。いや、厳密に言えば戦いはあるけれど、大抵の人間にとって縁の無いものだ。退屈な、そして窮屈で息苦しい世界だった。ぼくの居た世界とは全然違う世界。と言っても、ぼくはxxの部屋から出られないから、ほんとうの意味でこの世界を知っているわけじゃないけど……きっとそうなんだろう。だからxxも部屋から出ようとしないんだろう。
そしてxxは今日も学校を休んでいるらしい。朝の8時を回っていた。
彼はベッドの上で目を開いているけれど、身体は死んだようにぴくりとも動かさない。
「xx、朝ごはんどうする?」
扉の向こうから、xxの母さんが声を出していた。
「……」
けど、xxは返事を返さない。
すると彼女はすぐに階段を降りていった。
直後、下の階から父さんと母さんの会話が聴こえてきた。
「…………………」
「病院………………のほうが……………?」
「あの子は病気じゃない!」
「いや、病気だよ。…………は異常…………。……………一生変わらないぞ。…………………………傷も浅く済む。今からだって……………………………………………………」
「………に何が分かるの?」
「わからないさ。けど…………………………」
「………………………でよ!」
二人の会話はしばらく続いた。
その間、xxはベッドの上で目を閉じていた。寝ているように見えたけど寝息は聞こえてこない。そしてよく見ると、時々その顔に笑顔が浮かんだりしていた。




