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ぼくのいない世界  作者: 松永晋也
ぼくのいない世界2(2010年4月)
19/33

 気がつくと、ぼくは相変わらずxxの部屋に居た。


 だけどどうやら、あれからすごく長い時間が経っていたらしい。


 xxは背が高くなっていたけど、それ以外に違いはなかった。相変わらず部屋に引きこもっていて、一言も言葉を発しない。


 この世界にはぼくは居ないということがようやく分かった。


 どうしてぼくが居ないのかも理解できた気がする。


 この世界では不思議な力も、戦いも無い。いや、厳密に言えば戦いはあるけれど、大抵の人間にとって縁の無いものだ。退屈な、そして窮屈で息苦しい世界だった。ぼくの居た世界とは全然違う世界。と言っても、ぼくはxxの部屋から出られないから、ほんとうの意味でこの世界を知っているわけじゃないけど……きっとそうなんだろう。だからxxも部屋から出ようとしないんだろう。


 そしてxxは今日も学校を休んでいるらしい。朝の8時を回っていた。


 彼はベッドの上で目を開いているけれど、身体は死んだようにぴくりとも動かさない。


「xx、朝ごはんどうする?」


 扉の向こうから、xxの母さんが声を出していた。


「……」


 けど、xxは返事を返さない。


 すると彼女はすぐに階段を降りていった。


 直後、下の階から父さんと母さんの会話が聴こえてきた。


「…………………」


「病院………………のほうが……………?」


「あの子は病気じゃない!」


「いや、病気だよ。…………は異常…………。……………一生変わらないぞ。…………………………傷も浅く済む。今からだって……………………………………………………」

「………に何が分かるの?」

「わからないさ。けど…………………………」

「………………………でよ!」


 二人の会話はしばらく続いた。


 その間、xxはベッドの上で目を閉じていた。寝ているように見えたけど寝息は聞こえてこない。そしてよく見ると、時々その顔に笑顔が浮かんだりしていた。

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