(第二部 あらすじ)
異界の門が開き押し寄せた異獣との先の戦いで、精霊の加護によりリヒタイン侯爵領の民を守ったカンデ・ラディール。彼は侯爵様より一代中尉爵を賜り、14歳で連侯国学院を飛び級で卒業し、ラディール=カンクロウ家の当主となった。
ラディール=カンクロウ家が居を構えるのは、侯爵領南部の要衝の地。異界の門が開き、何人もの犠牲者が出たその地を守護することがラディール=カンクロウ家には期待されていた。当主カンデは、ラディール=カンクロウ家の最幸の降霊書マリンの力で当地を守護しつつも、異界の門をくぐり、その先の地を探索することも計画していた。
そうした中、ラディール=カンクロウ家にとって頭の痛い問題は、異界への探索への助力を申し出てくる各国の男女なのであった。当主カンデが異界探索を円滑に進めるためは、大きな力を持った者たちの協力が欠かせない。一方で、ラディール=カンクロウ家には、その助力の申し出の大多数を受けることができない、いささか憂鬱な事情がある。ラディール家の亡き父上カリストの忘れ形見の兄弟姉妹のうち7人と剣豪騎士の執事が暮らすラディール=カンクロウ家。その家を尋ねる男女のほぼ全員が、助力を申し出ると共に、ラディール家の兄弟姉妹のうちの誰かとの求婚を申し入れてくるのだった。ラディールの兄弟姉妹にとって、多勢に無勢な求婚話、その全てを受け入れることは到底出来ない。。
特に、希少な最幸の降霊書マリンの力を得た当主カンデに求婚してくる各国の女傑は数多い。女傑たちの立ち会いをの求めに応じるは、ラディール家の姉妹の5人。剣に秀でる姉ブランカ。マリンの加護ソリュブルとウィンドを得ている姉アンジェリカと姉アマビスカ。そして、自らがカンデが携えるマリンの精霊バードの分身となり、先の戦功から侯爵様より一大少尉爵を賜っている妹レイナ。各国の男たちからは求婚を受ける立場の姉妹5人は、助力を申し入れる者たちの中から、当主カンデが行う異界探索に真に同行に値する逸材を選ぶことができるのだろうか?
あるいは、マリンの精霊の導きにより、当主カンデとの間で主従之許を得た姉アンジェリカと姉アマビスカ、そして、カンデに許嫁を申し入れている妹レイナが、カンデと結ばれ、共に異界の門を通ることになるのだろうか?
次回は、ラディール=カンクロウ家の四天姉(?)が1人、女騎士見習いブランカが活躍します。