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排水溝の中で…

作者: 御荘庵(黒瀬みさが)

 ──一体、どうしたというのだろう。


 最近、洗面所が臭うのだ。水の流れも悪い。

 そして時折聞こえる、微かな水音。

 詰まるようなものを流した覚えはない。

 私は何度もそうしたように洗面所に立ち、原因について考えたが分からなかった。


 その時、排水溝の奥で小さく水音がした。


 ──何?


 水音はだんだんと近付いて来る。


 ──そんな馬鹿な。


 私の脳裏に、異変が起こる前の情景が浮かんだ。

 赤味を帯びた黄金の色彩と微かな生臭さを纏うもの。

 二週間ほど前に誤って流してしまった金魚が。


 それは姿をあらわし、黒く艶やかな眼で立ち尽くす私を見上げていた。

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