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月の明るい夜

 月の明るい夜は必ずカーテンを閉めるようにしている。

 例え患者さんが星空や月を見たいと懇願されてきたとしても。


 だけどやっぱり勝手にカーテンを開けてしまわれる患者さんもいらっしゃる。

 あの日もそうだった。

 僅かな隙間から射し込む光が病室の中いっぱいに広がって。

 そう、不自然に部屋いっぱいに。


 私は慌てて窓へと駆け寄り、勝手に開けられていたカーテンを閉めた――だが遅かった。

 その時に見えたのだ。

 窓の外、棚引く雲のように満月を二つに割る黒い影が。

 何かが飛んでいたわけじゃない。

 心の芯で理解(わか)る。それが鎌だと。


 振り返る。

 患者さんがなぜか月光に照らされている――窓と患者さんとの間に私が立っているにも関わらず。

 その、私越しの月明かりがスポットライトのように包んでいる患者さんの、首にだけくっきりと鎌の影が落ちた。

 直後、部屋に満ちていた光は消える。

 私は患者さんの脈を確認して、ため息をついて、ナースステーションへと急いだ。




<終>

死神

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