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入学

 眠れない体になったことによる利点を1つ、見つけた。

 退屈な行事などの途中で寝てしまい、先生に怒られたり、級友に笑われたり、といったことが起きない。やったぜ。

 と、いうことで、無事に入学式を終え、各々の学級へ。

 えっと、3組、だよな。ここだよな、あってるよな。いいんだよな…。

 どんだけ不安がってんだよ、僕。あれはどこからどう見ても3組と書かれているようにしか見えない。早く入ろう。

 そういや、この世界、なんで日本語が普通に使われているのだろうか。それは、うん。きっと僕なんかには永遠に理解できないことなのだろう。取り敢えずは、意思の疎通ができ、便利だから気にしないでおこう。


 そろそろ先生が来るかな。どんな人かな。

 でも、どうして武器なんか持ってこさせられたんだろう。持ってなければ学校から貸し出されるらしいけど。

 まあ、僕にはライフル銃があるからね。しかも、銃剣着用可能。槍みたいにも使えるし、バットみたいにも使えるし、普通にライフル銃としても使えるし、もう最高。

 席はここだな。他の人はどんな武器を使うんだろう。えっと、剣、剣、槍、剣、弓、槍、弓、弓、剣、槍、剣…。銃はいないのね。入学早々ボッチな件。

 いや、銃剣着ければ槍みたいなもんだし、遠距離だから弓の上位互換みたいなもんだし?

 そうだよ!ライフル銃は相手が攻撃できない距離から、一方的に撃てるんだ!万が一近寄られても、いざとなれば突き殺せばいい!

 そうだよ、僕とライフル銃がこの中で一番優れているんだ。僕が、一番、優れて…。

『ガラガラガラガラ』

 あ、先生来た。

「私がこのクラスの担任である、ガーベンだ。早速だが、今から君たちに殺し合いをしてもらう。」

 え?いま、殺し合いをって聞こえたけど。まさか、その為に武器を?

「なんてな。冗談だよ。これからよろしくな。」

 なんだよー、びっくりしたー、等と、皆口々に言っている。下らない。別に、出遅れたとか、そういうことはない。

 あー、よかった。うん、よかった。本当に殺し合いなんてしたら、僕があらゆる策を使って、なるべく残虐に、そして確実に殺すところだった。例えば、複数人の前で、頭ぶち抜いたり、首ぶち抜いたり、致命傷を負わせたり(すぐには死なせない。)して、必死で救命してるところを、皆殺しにしたり。

「それで、皆に武器を持ってきてもらった理由だ。」

 誰だろうか。男子がふざけて、「殺し合いをする為ですか!」といった。

「勿論、そんなことはない。安心してくれたまえ、ただの冗談だよ。

 で、本当の理由だが、今から個々に能力テストを行う。標的に対し、各々自由に攻撃を加えてくれ。」

 射撃と銃剣術、両方していいのかな。聞いてみないと。

「あ、あの!」

「ん、なんだね。」

「射撃と銃剣術、両方とも行って宜しいのでしょうか?」

 学級全員が僕を見ている。え、何かマズイ事言った?

「ほう、そんなに自信があるというのか。いいだろう、期待してるよ。」

 マズイ事言ったー!自らハードルを高くしてどうすんだ!うう、仕方ない。自業自得だ。やるしかない。泣きたい。



 体育館に移動、模擬戦闘、能力テスト開始。1組からだし、まだまだ時間あるから、動き見つつ銃剣研ぐなりしてよ。

 ふーん、あれじゃあ熊に爪で引っ掻かれて死ぬな。隙が多すぎる。動きが鈍い。

 研ぐといっても、砥石は流石に使わない。迷惑でしょ?軽く磨く程度。

 弓か。あ、的動かした。遠距離だもんな。

お 、いい感じだ。でも、やっぱリロード遅いし、飛距離も短い。銃と比較して勝るのは、価格、量産性のみ。銃がもっと普及すれば、あっという間に姿を消すだろう。それでも、猟等では使われそうだが。

(以下中略)

 ついに僕の番が。今すぐ逃げ出したい気持ちを、必死で抑え…、逃げては、駄目だ。

 まず射撃。膝撃ちでいこう。

『ダァァン』

 ヘッドキル。この距離で、風もなく、静止目標に当てるなんて簡単な事だ。

 的を動かしている。今のうちに銃剣を装着する。

 目標、正面。数、一。突撃!

 突き、突き、突き。真っ直ぐ、確実に、銃を傷つけないように。

「よし!もういいぞ。」

 終わった。さっさと逃げよ。



 本を読みながら教室で待機。そろそろ終わる頃かな。

『ガラガラガラガラ』

 先生帰ってきた。終わったみたいだ。

「皆、お疲れ様。これからの事だが…」

(先生の話が続く。明日からの事、年中行事についての説明等々。)

「まだ時間があるな。よし、自己紹介をしよう。これから共に生活していくんだ。互いの事はちゃんと知っておきたいだろう?名前、特技、趣味を言ってくれ。じゃ、シャロンから。」

 僕から?嘘だろ…。

「えっと、僕の名前はシャロン。特技は狙撃。趣味は読書とライフル銃の手入れ。」

 これでいいのかな。いろいろマズイようにも思えるが、気にしすぎだろう、きっと。嘘を言ったわけではないんだ。何も問題はない。

「次、メイギー。」

 次の人行った。問題はないようだ。

「私はメイギーだ。特技は計算。趣味は植木の手入れ。これからよろしく。」

 植木の手入れって、おじいさんかよ。それと、まとも過ぎるだろ。ライフル銃の手入れが趣味で、狙撃が特技の女子の後だってわかってんのかな。だから敢えてまともにした?

(以下中略)

 武器の手入れとか、そういうのが趣味の人、いないんだね。自分が使用しているものをさ、自分で点検するのって、楽しいと思うんだけど…。これじゃ、僕がまるで変人かのようではないか。

 さて、帰るか。

「ねえねえ、シャロンちゃんってさ。その、本当に狙撃とか、そういうのが好きなの?ふざけて言ったんじゃないよね?」

「勿論。どうせ僕は変人ですよ。」

 いつものこと、いつものこと。気にしない。日本に、元の世界にいたときも、そうだった。流石に自覚はあったけど。

「別に馬鹿にしようっていうんじゃないの。その、凄いなあって。」

「どうして?」

 どこにそんな要素があるのやら。

「だって、銃の構造ってとっても複雑なんでしょ?それを、親に頼る訳でもなく、自分で点検するんでしょ?」

「まあ、人に任せると怖いしね。それに、複雑な分楽しいんだ。それと、僕の前で『親』という言葉を、あまり言わないでほしいかな。」

「わかった。でも、どうして?なんて言われても、答えたくないよね。」

「うん、そうしてくれるとありがたい。」

 設定でも親はいないし、日本にいたときから両親がいることに少なからず嫉妬してたし。父親とか、羨ましいな。おじさん、おじいちゃんは、やっぱ父親とは微妙に距離感が違ったと思うし。

「じゃ、これからよろしくね、シャロンちゃん。」

「うん、よろしく。えっと、シュメルちゃん?」

 シュメルちゃんはそのまま荷物をまとめて、一人で帰ってしまった。シュメルちゃんね。仲良くなれるかな。

 僕も早く帰ろう。一発撃って、銃剣術も行ったんだ。点検しなきゃ。

3000文字くらいだと、書きやすくていいね。

外したくないけど、伏せ撃ちはちょっと…。と思い、膝撃ちにした。シャロンちゃん可愛い。

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