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ドS勇者と異世界召喚  作者: K.A.Z
第一章 すべての始まり
3/3

第3話 国王殺害事件

第3話ですっ


朝、目が覚めるとグレイシアがメイド服を着て朝飯を持ってきてくれた。


「他にも何かございますでしょうか?」


「あぁ、じゃぁグレイシアちょっとおいで」


そう言って俺は、グレイシアを膝の上に乗せ朝飯を食べ始めた。


「あ、あの、食べづらくないんですか?」


顔を真っ赤にして、聞いてくる。


「あぁ、食べづらいな。じゃぁグレイシア、食べさせてくれ」


そう言うとグレイシアは、俺に朝飯を食わせてくれた。


「今日も、図書館ですか?」


「あぁ、まぁな。まだ読み終わってない本もあるしな」


「左様でございますか、それでは後でコーヒーをお持ちいたします」


「あぁ、いつもすまん」


「いえ、メイドですから」


そう言ってグレイシアは部屋をあとにした。俺はそのまま図書館に向かった。しばらく本を読んでると、オーベルが来た。


「相変わらずお主は本が好きじゃのう…」


「まぁな、それより仕事しなくていいのか?」


「よい、今日はお主に用があってな…頼まれてくれるか?」


「内容による」


俺は本を置いて、頼み事を聞いた。


「ワシが死んだ後、セシリーを守ってやってくれんか…」


「なぜその必要が?」


「今、この国は現国王派と、次期国王派に分かれておってな…」


「現国王派にそのセシリーも入ってるというわけか…」


「そういう事じゃ…ちなみに次期国王は我が娘シェリー・オーベルじゃ…」


「あぁ、あのうるさい小娘か…ん?娘が父親を殺すっていうのか?」


「いや、娘はこの事を知らん。次期国王派が勝手にやってる事じゃ…」


「あぁ、なるほど、まぁなんだ頼まれてやるよ。セシリーの事」


「本当か!ありがとう……ありがとう……」


オーベルはそう言うと何度も頭を下げた。


「何も泣くことはねぇだろ。俺に任せろ」


ありがとう、最後にそう言ってオーベルは図書館を後にした。


(さて、どうするかな……)


セシリーの事を考えながらまた本を読み始めた。




ーーオーベルside


(やはりあやつに任せて正解じゃったな…)


図書館での事を思い出しながら廊下を歩いていた。ふと、誰かに見られてる気がする。


「誰じゃ…姿を表せ…」


なんとなくわかっているがの…そう思っていた。でも次の瞬間予想外の出来事が起こった。目の前からシェリーが現れた。


「シェリー?こんな所で何をしておるのじゃ?」


「お父様、私お父様の考えにはもうついていけません。私が国王になってこの国を変えて見せます!だから、安らかに眠って下さい…」


その目に光はなかった。オーベルは気づいた。シェリーは洗脳されていると。だから、反応が遅れた。


ズブッ


「シェリー……」


最後にそういい、オーベルは永遠の闇に閉ざされた。



ーーユウタside


オーベルが図書館からいなくなった後、俺は胸騒ぎがしてセシリーの元に向かっていた。


「セシリー!!」


セシリーの部屋に入ると数名の騎士たちが、セシリーに迫っていた。


「ユウタ様!!」


今にも泣きそうな顔で俺の名前を呼んだ。騎士たちが振り返った。


「貴様!何しにここに来た!」


俺は、もうこいつらを許すわけにはいかなかった。


「セシリー……耳を塞いで目を閉じてろ」


そう言うとセシリーは耳を塞いで目を閉じてくれた。騎士たちが俺の首を撥ねようと迫ってきていた。そこにまず、殺気と怒気を含ませ威圧した。


「なっ!体が、動かん…」


「貴様!何をした!」


騎士たちは威圧で、体が動かせなくなったところで、俺は一人一人殺すことにした。


「『跪け』」


絶対者のスキルを発動し騎士たちを跪かせた。


「『お前は首を撥ねて死ね』」


「なっ、嫌だっ!やめろ!か、体が勝手に!う、うわぁあああ!」


ブシュッ!!


一人の騎士が自分で首を撥ね死んでいった。隣の騎士は震えていた。


「た、頼む!!見逃してくれ!俺は頼まれただけなんだ!!」


「誰に、なにを…」


冷たく、地の底から聞こえるような声で言った。


「だ、大臣にだ!国王はシェリー様に殺させて、セシリーは俺達が殺してくれって!」


大臣だと?なるほど、自身を守らないんじゃなく守れなかったのか…


「そうか、情報提供ありがとよ」


「なら、見逃してくれるのか!?」


「あぁ、見逃してやるよ。ただ気をつけろよ?『窓から落ちて』死ぬかもしれないから」


「?あ、あぁ、気をつけるよ………ぇっ、まっ、うわぁあああ」


落ちたな。だから気をつけろと言ったのに…


「セシリー、もう大丈夫だよ」


「ユウタ様……ユウタ様ぁっ!!」


抱きつかれた、こういう場合どうしていいかわからん……


「ユウタ様……お父様が死んだって本当ですか……?」


答えようか迷ったが、現実を見られないようじゃこの先やっていけないと思い教えた。


「あぁ、死んだよ」


「そう、ですか。では、私はお姉様のところに行ってきますね…」


泣きたいなら泣けよ。そう思った。だが、それよりもだ、今シェリーに会わせるのはまずい


「ユウタ様?」


気づけば手を掴んでいた。


「行くぞ、次狙われるのはお前なんだ…さっきの兵士を見ただろ…」


「ですが……」


「お前の父親を殺したのは多分、お前の姉貴だ…」


「っ!!いくらユウタ様でも、怒りますよ?」


「ならなんで、お前の安否を確認しにこない…」


「そ、それは、きっと忙しいんです!」


「俺はオーベルからお前のことを託された。お前を見殺しにするわけにはいかないんだ」


言い合っていると、シェリーが近づいてきた。


「あら、セシリーどうしたんですの?」


「お姉様!お姉様はお父様を殺すわけないですよね!?」


「ふふっ、可哀想な子、何も知らないのね…」


シェリーはセシリーの頬をなでた


「ちっ!!『セシリーから離れろ!』」


くそっ!遅かった!


「お姉様……な、んで……」


セシリーが倒れた。俺はセシリーを抱え王城から逃げ出した。幸い、セシリーは気を失ってるだけで、外傷はなかった。


「はぁ……はぁ……」


ほかの勇者どもは知らん。多分洗脳されてるだろう。しばらくするとセシリーが目を覚ました。


「ここ…は……?」


「セシリー……やっと起きたか……」


「あなたは……誰?」


その時思い知った。現実ってーのはいつも理不尽だと


「私は……えっと……」


「何も言うな……俺がついてるから……」


俺は優しく抱きしめることしか出来なかった。そうすると、セシリーの目から涙が溢れていた。


「っく、ひっく……うわぁああんっ!」


「そうだ、泣け…泣きたい時に思いっきり……」


セシリーは泣き続けた。意味もわからず泣いていた。泣き止んだ後、自己紹介をした。


「俺は貴田雄太。お前の騎士だ」


「私の……?」


どうやら記憶を失ってるのは家族と勇者の事だけのようだ。


「そして、お前の名はセシリー・オーベル」


「せ…しりー……」


俺達は自己紹介などを終え、城下町を歩いていた。


「ユウタさん、この後どうするのですか?」


「とりあえず旅に出ようと思う」


「旅、ですか、いいですね…」


「そのためにも、冒険者になっておかないとな」


そう言って俺達は冒険者ギルドを目指した。


冒険者ギルドはさほど遠くはなかった。中に入ると冒険者達は昼間っから酒を飲んだり飯食ったりしてうるさかった。


「こんにちは!本日はどのようなご要件で?」


綺麗な受付嬢が俺達に話しかける。少し見つめていると警戒されてしまったので用件だけ伝えた。


「……冒険者登録をしたい」


「はい、かしこまりました。ではこちらにお名前と年齢をご記入下さい。代筆も可能ですが?」


「いや、いい」


そう言って俺とセシリーは名前と年齢を書き受付嬢に渡した。


「ユウタさんとセシリーさんですね。かしこまりました。それではここに手をかざしてください」


そう言って指さした所には水晶があった。俺とセシリーは水晶に手をかざした。


「はい、大丈夫です。それではギルドの説明を始めます……」


ギルドにはEからSSSまであるらしい。そして、伝説級の冒険者にはZの称号が与えられるという。ちなみに俺達はEだ。

そして、依頼には制限があるという。例えばEはCの依頼は受けられないそういった制限だ。一日に受けられる依頼の数も決まっている。3つまでだ。そして、ランクアップするには試験が必要だという。


「じゃぁ今から試験受けたいと言えばできるのか?」


「試験管の都合が合えば可能です。ですが、今は試験管の方が依頼に出てるため、不可能です」


ま、そううまくいかないか。そう思ってると声をかけられた。


「別に今戻ってきたから構わんぞ?」


振り返るとそこにはイケメンとは言えないが不細工とも言えない普通の男がたっていた。


「お前さん。今失礼なこと考えなかったか?」


「あ、あぁいや?それよりも、試験受けさせてくれんのか?」


危ない危ない…考えが読み取られるとは……


「あぁ、いいぜ。威勢のいい新人を教育するのも俺の仕事だしな」


「それでは、試験会場に移動しますのでついてきてください」


そう言って俺達は試験会場に来ている。


「ユウタさん…私も、やるんですか?」


「あ?あぁ、いいよ。お前は離れてみてな…」


そう言うと、セシリーは端っこにいってしまった。


「お前さん、名前は?」


「人に名前を聞く時は自分から、だろ?」


そう言うとハハッと笑って名乗ってきた。


「俺はアッシュ・ザーバーだ。アッシュでいいぜ」


「俺は貴田雄太だ」


「ユウタか、不思議な名前だな。まぁいい!それじゃぁ始めようかっ!!」


そう言うと、アッシュはこちらに突っ込んできた。速いな….まぁこんなもんか……


「『近寄るな』」


そう言うとアッシュは途中で止まってしまった。


「お前さん、なにをした?」


睨んでくるアッシュを嘲笑し手をかざした。


「さぁな?俺は何もしてないが?そういえばこれって『気絶』させれば終わるのか?」


「あ?あぁ、さっき説明した……ろ?」


その言葉を最後にアッシュは気を失った。



ーーセシリーside


ユウタさんの腕の中で泣いた後、いろいろ教えてくれました。私は王族の次女で、国王、私のお父様は私の姉が殺した事。私を殺しに来ること。だから、私は頼んだ、強くなりたいと…


「あぁ、わかった。だが、まずは冒険者になる事からだな」


そう言ってユウタさんは冒険者ギルドに向かった。冒険者登録は終わったけど、ユウタさんはランクアップの試験を受けたいと言い出したんです。流石にびっくりしました。

でも、試験管の人がいないとのことで受けられないって言ってました。そしたら、後ろから試験管っぽい人が現れたんです!そしてなんやかんやあって、試験を受けることになって…1分くらいでした。自己紹介を終えてから決着がつくまで1分くらいでした。


「すごい……」



ーー雄太side


「終わった。行くか、セシリー」


「……はいっ」


俺達はギルドに戻り受付嬢と少し話をしてから、ギルドカードの更新をしてもらった。


「セシリー、宿取ってくるから少しここで待ってろ」


「はい…っ」


そう言って俺は宿屋『梟の木』に入っていった。


「いらっしゃい、食事か?それとも宿泊か?」


酒場のマスターみたいなおっさんに話しかけられ


「あぁ、宿泊だ。一週間泊まりたい」


「わかった。一人銀貨2枚だ。飯は別料金だからな」


「あぁ、わかった。ほらよ」


そう言って銀貨4枚を差し出した。


「ん?あんたひとりじゃねぇのか?」


「あぁ、外に一人待たせてる」


「そうかい、じゃこれが部屋の鍵だ」


「あぁ、サンキュ」


そう言って俺は梟の木を後にした。


「待たせたな……」


セシリーがいない…?


走って探していると、路地裏にどこにでもいるゴロツキたちがいた。


「へへっ、久しぶりの上玉だなぁ?お前、名は?」


「え、えと、やめて……っ」


「おいおい、Cランク冒険者のボルドの名前を知らないわけじゃあるめぇ?」


「知らないです…っ」


ボルドはだんだんセシリーに苛立っていた。


「まぁいい、お嬢ちゃんには俺の相手をしてもらうとしよう。ギャハハ!」


「アニキィ、俺にも回してくださいよ?」


「あぁ、心配すんな。回してやるよ」


「たす……けて…ユウタ…さん…」


消え入りそうな声で、助けを求めたセシリーの目には涙がこぼれた。


「おい……そこの豚野郎…」


「あぁっ!?誰が豚野郎だと!?っ!!!」


威圧を込め少しずつ歩んでいく。


「お前!死ねやぁ!」


近くにいた数人が剣を抜き放ち襲いかかる。


「セシリー、耳を塞いでろ」


「は、はいっ!(あれ?このセリフどこかで…)」


「お、お前!俺はCランク冒険者ボルド様だぞ!」


「だからなんだ?『お前は仲間内に殺される』運命なんだ。諦めろ」


俺はそう言ってセシリーの元に行き抱き抱えた。


「悪かったな。一人にして」


微笑みかけるとセシリーは頬を朱に染め下を向いてしまった。


「てめぇ!俺様無視してんじゃ……?お、お前ら?」


「すんません!ボルドさん!体が勝手にィ~!」


「ぐわっ!やめっ!お前らふざけるなよ!覚えてろよ!っぎゃあぁあああっ!!」


「あぁ?死ぬやつの名前覚える必要は無い、あぁ、お前ら『そいつ殺したらお前らは自害しろ』」


そう言って俺はその場を後にした。数日後、路地裏にて3人の冒険者の遺体が発見された。一人は無残な姿になって発見された。


俺達は宿に戻り、夕食を済ませ。部屋でくつろいでいた。


「ユウタ……さん……」


「ん?あぁ、いいよ。俺に気にしないで寝て」


「はい…それでは、おやすみなさい…」


疲れたのだろう、すぐに寝息を立て始めた。俺は部屋を出て冒険者ギルドに来ていた。


「こんばんは、本日はどのようなご要件で?」


「あぁ、ギルドマスターに呼ばれてきた」


そう、あの後試験の事でギルマスから呼ばれていた。


「も、もしかしてユウタさんですか?」


「そうだ、いいから早くしろ」


「し、少々お待ちくださいっ」


そう言って受付嬢は部屋に入っていった。


「ど、どうぞ、こちらの部屋です」


「あぁ、すまない」


部屋に入ると、やたらガタイのいい男が座っていた。


「ほう?お前がユウタか…」


「だったらなんだ?用件をいえ、俺はもう寝たいんだが?」


「だったらこんな夜更けじゃなく明日にすればよかっただろう?」


「ふん、最初はそうするつもりだったさ。気が変わったんだ」


もちろん嘘である。セシリーには知られたくない事もある。


「お前さん、あの試験で何をした?」


「それを教える義理はない」


「それもそうだな。では、お前Bランク冒険者になりたくはないか?」


「ほう?なぜ急に?」


「力にあったランクを与えるのが冒険者ギルドだからだ」


「ほう?まぁ、そういう事ならいいぞ」


正直めんどくさかったから好都合だ。


「用件はそれだけか?なら俺はもう行くぞ」


「いや、待ってくれ。お前に頼みたい事がある」


「内容による」


「この城下町から東に行ったところにゴブリンの森というものがある。そこにいるゴブリンキングを倒してきて欲しい」


「ほう?そいつは強いのか?」


「あぁ、Bランク冒険者が数人でやっとの敵だ。だから、誰か連れていくといい」


「あぁ、ならセシリーを連れていく」


「セシリー?」


「俺の仲間だ」


「なら安心だ」


その後少し世間話をして、宿に戻った。


「ただいま。セシリー」


「んぅ……ユウタ……さん…」


セシリーは寝言をいうと頬を綻ばせ、だらしない顔で寝ていた。


(コイツは俺が命に代えても守る。だが、まぁ自分の身位は守れるようにならないとな)


そう思い、雄太は床に座って寝た。窓際から覗かれている事には気づけなかった……


もう少し頑張ります!

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