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コール name/answer ナンバー  作者: 霧野壱縷
8/12

4月8日(月)

間が空きすぎですいません。今テスト期間なんでまた空きます。


あんなことが有るなんて知っていたら僕は関わりを持つのを止めただろうか。



______________



まだ寝ている体に鞭を打ち鳴り続けていた携帯を切りベットから這い出た。

知らない匂いに戸惑いながらもカーテンを開けた。

起きたばかりの僕にはあまり優しくない光を浴びまだ冷たいと思われる風を受けるため窓を開けた。

案の定風は冷たかった。

太陽は上がったばかり、地面を暖め途中そんな時間帯に起きたのだから当たり前だ。

腕を擦り朝食のメニューを考えながらまた窓を閉めた。


米は自分家で作っていたので、朝食は基本的ご飯。

あった野菜をぶち込んだ味噌汁に焼き魚と目玉焼き。

朝はほぼこれ。

まあ、独り暮らしの学生なんてこんなもんさ。

作れないことはないんだか、めんどくさい。

別に誰かに食べさせるわけでもない、独り暮らしは楽でいい。

結婚すると毎日違う料理が出てくる家があるらしいが、正直奥さんが可愛そう。

時計を見ると7時30分くらい。

今日は初日というか、入学式なので遅れると流石にやばい。

ニュースを横目で見つつご飯をかっ込んでいった。


中学校では学ランだったのでブレザーとか着にくくてしょうがない。

これがあと3年間、慣れることを願おう。

踵に蝋を塗った革靴に脚を入れ誰もいない部屋に声をかけて鍵を掛けた。


___________




入学式の会場まで自転車で約20分、平坦道だったから楽に着いた。

周りには同じ制服に身を包んだやつらがわんさかいた。

今年の入学生は600弱だそうだ。

関わりを持つのは何人やら。

知っていやつもいないし、式まで時間があるので壁と友達になり、持って来た本を読み始めた。


指定された席に着く。

どうやら3組になったようだ。

式が始まった。

役に立つと思われない話をBGMに目を閉じていると右隣のやつが話しかけてきた。


「なあ。暇なら俺としゃべろうぜ。えっと、さつき?」


名前は名簿でも見たのだろうか。

意外としっかりしている何処から見ても精神年齢小学生。

僕は見た目で差別しないし、例えおつむだとしても馬鹿にはしない。

例えおつむでも。


「いいよ。僕、五月。読み方 さつき じゃないんだ。5月って書いて いつき 。」


「へー、変わった読み方するんだな。俺は颯。よろしく。」


名前を間違えた事についてはまったく怒りがない。

だって今まで一発で答えられた人はいなかったから。

簡単な自己紹介が終わった所で式の方も終わったらしく皆身支度を整えている。

僕たちもそれにならい支度をし、会場を出た。


エントランスで少し言葉を交わしているとリクルートスーツに着た女性がこちらへ寄ってきた。

どうやら颯の母親らしい。

頭を軽く下げるとあちらも下げてきた。

優しそうな母親だった。


「どうも。颯の母です。よろしくしてくださいね。」


「いえいえ、こちらこそ」


颯が僕に視線を向けてきた。

向いてやると照れくさそうにしたやつがいた。

お前は小学生かっ!


颯の母親が颯にアイコンタクトをしていた。

どうやらこの後用事があるらしい。


「僕これから行くとこあるから」


と言ってやると


「じゃあな、また明日。」


「ああ、じゃあな」


颯たちが背を向け帰って行くとき颯が一度だけ振り帰り、両手を合わせていた。

颯は思っていたよりもいいやつだった。



__________


まだ開け慣れてないドアの鍵を開け、誰もいない家にに向かって「ただいま」と言った。

やっぱり返事が返ってこないのは少し淋しい。

制服を脱ぎ、Yシャツを洗濯籠に放り適当な服を着てベットの上で大の字になった。


いつの間に寝ていたのだろうか6時を過ぎていた。

だか、夕飯を作る気分にはなれず、ぼーっと天井を見ていた。

借りているアパートの天井の色は 白 で、所々に黒い染みがあった。

なんとも引き込まれてそうな感じだ。


気が付くと向かいの部屋の光でかろうじて部屋の中が見える状態ちちになっていた。

夕飯は諦め、軽く風呂を済ませ椅子に腰を下ろした。




4月8日(月)


私立咲ヶ崎第一高等学校。

この学校は難関大学、某有名会社へ多くの生徒を送り込んでいる高校として世間に知られている。

勿論、勉強が不出来の生徒もいるが風紀もそこまで悪くはない学校である。


入学式で野原颯と話した。見た目小学生だが、いいやつだと思う。

同じクラスになった。

颯とは長い付き合いになりそうだ。


初めて親元を離れ、自力で生活する。

一抹の不安があったがそんな事は言っていられない、親の反対を押しきってまで来たのだからそれなりの成果を出さねばならない。

やっと見つけた夢だから叶えたいと思う。



日記を書き終え、ベットに潜り込み右を向いて寝た。




読んでくださってありがとうございます。次回もよろしくお願いします。

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