4話
不細工
これは今の私の為に考えられた言葉なのではないだろうか。
と思うほど私の目の隈は黒く、肌にハリがなかった。
「ふう」
思わず溜め息がこぼれ落ちた。
原因は明確だ。
別れ話じゃないだけましか。
思いつつも2回目をする。
溜め息をした分幸せが無くなるってよく言うけど私の場合はストレスが解消される……と思っている。
寝室から物音が聞こえた。
きっと彼が起きたんだろう。
いつもは彼の方が起きるのが早いのだが今日は私が早い。
というか、ほぼ寝ていない。
う~ん、眠い。
新聞を取って来るのは彼、カーテンを全て開けるのが私という暗黙のルールがある。
こんなことばかりしていから熟年夫婦と言われているのかもしれない。
でもこれらは私たちの日常で例え私が早く起きて暇だろうと彼の仕事を取ったりしない。
当たり前に過ぎて行く日常を壊したくないと一番思っているのはそんな事ばかりの考えている私なのかもしれない。
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私の料理の腕は並くらい。
今日の朝ごはんは、ご飯、味噌汁、鮭の塩焼き、お皿いっぱいのサラダとごくごく普通の品揃えだ。
基本的わが家では和食中心で凝った料理は滅多に作らない。
作れない訳ではないのだか、暇がない。
共働きで私は不規則、彼も忙しい時期だった。
これから先どうなるかわからないのだか。
とりあえずどんなに手抜き料理でも文句1つ言わない彼には感謝している。
鮭をお皿に盛り付けているとき彼がダイニングにやってきた。
彼の定位置は奥の左側。
子どもが出来たら必要でしょと言われて買わされた椅子もテーブルに配備されているのだか、彼はいつもそこだった。
そして私は彼の目の前。
だから何?と言われても困る。
忘れているかもしれないが私たちはまだ新婚で彼の顔が見られるだけでうれしかったりする。
これはきっと結婚しないとわからない、
私も腰を下ろし桜が彫っている箸を持った。
「「いただきます」」
揃って言うのが私たちのルール。
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朝ごはんが食べ終わり熱い玉露をすすった。
そう言えば彼に何処に行くか聞いてきなかった。
「ねぇ、何処行くの? 場所によって服装変えなきゃなんだけど。」
「友達の家」
ん? と も だ ち
お前友達いたんかい!!
彼から初めて友達という言葉を聞いた。
あの五月が友達だと
知り合いしかいないと思っていた彼に友達が。
そしてその友達が断った原因と見た。
社長よりもそいつを取ったって訳だな、そうかそうか。
えっ待ってお前そっち系なの?ホとモがつくあの人なの?
新発見やこの歳になってそんなことが見つかるなんて
いや、私はそんなことで離婚なんてしない女ですから、心広いですから。
話を戻そう。
友達に家に行くのねOKOKラフな格好で行こう。
今は8時30分出発は9時頃だろう。
よし、準備するか。