ボディペイント
21話
「なあ、マッスル。」
「なんだ?」
「服着れたんだな。」
「いや、着れなかった。」
「え?でも、今、服着てるじゃん。ちょっとピチピチ感あるけど。ん?なんか服透けてない?てか、絵じゃモガモガ⁈」
「大声出すな。バレたらやばい。多分、不敬罪で捕まるらしい。」
「らしいって。」
「服を着せるため尽力した執事の人に言われた。ついでに服は爆破した。」
「ダメだったか。」
「ああ、さずがに王様の前でパン一は問題があるからな。」
「しかし、じっくり見ないと気付かないぞ。執事の人が書いたのか?」
「自分でやった。執事には絵の具だけ用意して貰った。完成した時、執事の人は目を見張ってたぞ。」
「俺も騙されたからな。」
「そろそろ、時間だな」
「ああ」
俺たちは第三王女救出の褒美を貰いに王に謁見する事になり、服などを用意して貰っていた。
俺たちは騎士に囲まれながら謁見の間の前まで連れられた。騎士の何人かはマッスルを見て首を傾げていたがマッスルが隠す様子も無く。堂々と歩いていたため、違和感を感じただけで服を着ていない事に気づいていないようだ。
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衛兵が王の間の扉を開くと、上品な花の香りが漂う。床には絨毯が敷かれている。
王の間に居たのは3人。その場でもっとも目立つ正面の数段上がった玉座にはこのダラン王国の王が腰掛けていた。
そして、第三王女救出の感謝と報酬の話が始まったがマッスルは跪いたまま全く動かず。直人はマッスルの方を隠れてチラ見していた。
周りの人達はまだ気付いていないようだ。直人はバレない事を願いながら終わるのを待ち続けた。
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そして、話が終わり掛けた時、事件が起こった。今まで、動いていなかったマッスルがボソッと呟いた。
「やべ、乾いてきた(ボソ)」
「ん⁈」
声は小さかったので直人にしか聞こえていないようだ。
直人が隣を隠し見るとマッスルのボディペイント装備には所々ヒビが入っていた。マッスルが動いた瞬間に剥がれそうだ。
パキパキパキ
「ムン‼︎」パーン
謁見の間、王の目の前、ついでに王妃、メイドなど女性数人の前にパンツ一枚の変態が現れた。
『きゃー』
「お前、なぜ裸になった⁉︎」
王の近くで護衛していた騎士の一人が剣を抜き構えマッスルを取り囲む。
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