出会い
バヒューン ズン ドヒューン ズン バヒューン ズシャ バヒューン ボコ
え?今、何をやっているかって?(バヒュー バキ)
現在、俺はこの森を爆進している。かれこれ4時間。(ビュン スタ)
もちろん、うさぎ飛びで。(ビューン メキャ)
この体になってから、全く疲れない。それどころか、力が湧き上がって来くる。(ドーン ズタ)
しかし、人に会わないな、町の方向わからないから適当に真っ直ぐ進んでるけど(ズガーン ドン「ギャーー(メキャ)」)
ん?なんか、緑色の人っぽい生物を引いた気がするけど、大丈夫かな?一応、人だったら大変だし。(ズザザザザッ)
「すまない、大丈夫か?」
そこには、ぶつかった衝撃で吹き飛ばされたであろう緑色の人?だった物が転がっていた。
「・・・・・・」
俺はただ無言で手を合わせるしかなかった。
「あ・・あの」(ビクッ)
俺が手を合わせていると後ろから少し動揺した男の声が聞こえた。慌てて振り返るとそこには、壊れかけの荷馬車があり、荷馬車を背にする形で1人の見た目、20歳辺りの男がいる。髪の色は金髪で太ってはいないが長い間、馬車に乗っていたのだろうか?腹筋、背筋、脊柱起立筋、大殿筋を鍛えないと近い未来、腰痛に苦しむ事になるだろう。その男の足元を見ると冒険者らしい格好をした男が二人倒れている。そして、それを取り囲む形で8人?の緑色の小人?がいた。その全員が俺の方向を見て無言で固まっている。どうする俺?俺は振り返ってから
状況を確認し神より鍛えられた脳筋でこの情報を打開する行動を導き出す。その時間、僅か3秒。
「皆さん、こんな所でピクニックですかな?」サイドチェスト(ムキッ)
「「「・・・・」」」
サイド トライセップス(ムキッ)
「「「・・・・」」」
モスト マスキュラー(ムキッキッ?)
「「「・・・・」」」
「・・・・」
・
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どれ位、時間がたっただろうか?
俺はいまだに誰も復活しない皆の中を通り過ぎる。そして、先ほど声をかけてきた男の前まで歩き、再びモスト マスキュラー(ムキッ)。
その瞬間、緑色の小人達は武器を持ち、俺の背中目掛けて一斉に攻撃を仕掛けて来た。
「あっ、危ない⁈」
金髪の男が俺に危険を知らせるのとほぼ同時だろうか?小人達の振り上げた棍棒や錆びた短剣が背中に接触する。
そして、鳴り響く武器の壊れる音。
「ポキッ」「パキャッ」
「ゴッゴブ?」
小人達は何が起きたか分からず、それぞれの粉々になった武器を眺めている。
「ふっ、私の鍛えられし広背筋に傷を付けるなど100年早いわーー」
俺はそう言い放ち、振り向きざまに回し蹴りを放つ。
「ブン」その音と共に8人の小人達の体は、まるでトラックにぶつかったかの様に吹き飛び、動かなくなった。
その後、直ぐに倒れている男達の状態を見たが既に遅かった様だ。
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「助けていただき、ありがとうございます。私はマルクスと言います。王都に商品を運んでいる途中、ゴブリンの集団に遭遇致しまして、護衛に冒険者を雇っていたのですが、、」
「いや大した事じゃない、困っている人を見つけたら助けないとな。何のための筋肉かわからん。(ムキッ) 護衛の人は可哀想な事をしたな」
金髪の男は悔しそうな頭をした後、助けて貰ったお礼をしたいと伝えて来たが俺はただ町を探してウサギ跳びしていたら偶然、遭遇しただけでそこまで、感謝される様な事はしていないと思うのだが、、、。しかし、こんな森のなか人と出会えたのだ、王都まで一緒に連れて行ってくれるかもしれない。
俺は金髪くんとの出会いに感謝しつつ、町に案内して貰うべく話しかけた。
「そう言えはまだ自己紹介してなかったな。私の名前は桝木徹だ。気軽にマッスルと呼んでくれ。頼みがあるんだが・・・」
俺は目を覚ましたら、この森にいた事、
取り敢えず人を探すため、真っ直ぐ走って来た事、一緒に王都まで連れて行って欲しいとマルクスに伝えた。
マルクスは「だから、こんな格好なのか」と小さく呟き、何か納得した表情になった後、言った。
「分かりました。王都まで一緒に行きましょう。しかし、私は商品を運ばなければならないため、王都までマッスルさんに護衛して貰う事になりますがよろしいですか?勿論、護衛代は用意致します。」
そして、俺はマルクスと王都を目指す事になった。