『悪い子はいねーかー‼︎』
17話
《洞窟》
「親分、今日は運が良いですね。」
「ああ、まさかこんな上玉がいるとはな。」
「親分、売っ払う前に襲っても良いか?」
盗賊の一人が美少女の服を破いた。
「きゃー⁈」
「ぐへへ、なかなか良い声出すじゃねえか⁈(グハッ)」
親分の盗賊の一人が頭をなぐる。
「おい、絶対に触るんじゃねー。価値を下げる訳にはいけねえ」
「ちっ、わかったよ。」
「しかし、逃げられたらダメだからな。奴隷の首輪着けとくか。」
「あなた達、そんな事が許されると思ってるの⁈」
「残念だな。既にお前の買い手は付いているんだよ。元々、お前の馬車の情報はある奴から貰っていたんだよ。こんな上玉だとは思わなかったがな。」
「私を誰だと思っているの?」
「分かっているさダラン王国第3王女アルス様。まだ、立場が分かっていないようだな。お前の買い手は隣国のクズラ帝国だぞ。」
それを聞いた瞬間、アルスの顔から血の気が引き、顔が青くなる。ダラン王国とクズラ帝国は敵対しており、時々諍いを起こしている。
盗賊の親分は勝ち誇った顔をし首輪を首輪に掛けようとして、
『悪い子はいねーかー‼︎』
いきなり、洞窟中に声が届く。
「なんだ⁈」
盗賊の親分が疑問の声を上げた時、監視の一人がボロボロな状態で入って来た。
「鬼が来た‼︎」
そして、そのまま気絶した。
『悪い子はいねーかー‼︎』
「助けてくれ〜‼︎」「鬼だ〜‼︎逃げろ〜」
「ムキッ」「グハー」「母ちゃ〜ん」
鬼の声と盗賊達の叫び声が聞こえる。
盗賊の親分は近くにいる部下を全て鬼に向かわせる。
「おいお前ら全員で鬼を倒して来い。俺はこいつを見張ってないといけねーからな」
『おう』
盗賊達は続々と鬼を退治する為に向かう。そして、、、
『悪い子はいねーかー‼︎』
「助けてくれ〜‼︎」「ムキキッ」
「グハー」「ママ〜‼︎」
親分は舌打ちをして武器を手に取り立ち上がろうとして、、、上から落ちてきた何かに潰された。
「え?」
・
・
・
・
「いててて、タイミング測ってたらまさか抜けちゃうとは思わなかったな。ん?」
今回の作戦はマッスルが陽動のため鬼の仮面を被り敵を引き付ける。その間に直人は洞窟の上から進入する作戦である。
名付けて「ナマハゲ作戦」
まず2人は洞窟の上をシャベルで掘っていき中の音が聞こえる所で止め直人が魔力で強化した。マッスルは鬼のマスクを着け前から現れ暴れ始めた。
直人は洞窟の上で土を魔力で強化しながら中の音を聞いていたが土の強化する範囲が狭かったようだ。接続部分からはず落下。そして、今の状況である。
直人は洞窟を見渡すと洞窟の端の方に怯えた女性達が固まっており、顔を前に向けると美しい銀色のストレートヘアが華奢な肩口まで伸び、磁器のように透き通る素肌は柔らかそうで二重の瞼の中には青い目が一際輝き、ツンと尖った鼻の下に穂のかに赤い唇が小さくアクセントを主張している美少女が足で体を隠してこちらを見ていた。直人は恥ずかしさで顔を背けながら縛られている手を解放し上着を被せる。
「こ、これ、着とけ」
「あ、ありがとう。」
美少女の顔が何気に赤くなっている気がする。直人は美少女に他の人達の解放を手伝ってもらうため、口を開いて、、
『悪い子はいねーかー‼︎』
鬼が現れた。
「「「きゃー⁈」」」
「ムキッ?」
直人以外の人は白目で気絶した。
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