パーティ結成
16話
直人とマッスルはパーティ登録をした。
直人がリーダーとなり、パーティ名は
バイセップスとなった。
何故、この名前になったのか?
直人はパーティ名を考えるために1日をかけたが良いものが思い付かなかった。そこでマッスルが片っ端から名前を挙げ、良さそうな物を直人が選ぶ事になった。マッスルはここぞとばかりに適当な名前を挙げ、筋肉の名前を気付かれないように混ぜた。そして、バイセップスになった。バイセップスの日本語訳は上腕二頭筋であることに直人は気付かなかった。
バイセップスの2人組は再び王都に戻る事にした。王都に向けた護衛依頼を探したが見つからなかったため、商人が通る為にある程度整備された道では無く。二人の連携も兼ねて暗黒の森と言われるレベルの高い魔物のいる森を通る事になった。マッスルの方が索敵能力が高かったため、マッスルは前衛、直人が後衛になった。
「なあマッスル。一応、今は危険な森を通ってるんだから逆立ち歩きはやめとか無いか?」
「なあ直人、足と腕どちらの方が強いと思う?」
「足だな」
「何でだと思う?」
「何でって、、」
「それは足の方が腕より体重と言う負荷が常に掛かっているからだ〜‼︎」
「・・・・」
その時、マッスルがいきなり逆立ちを止め、耳に手を当てた。
「どうしたんだ?」
「誰かが助けを求めている。」
「何があったんだ?」
「分からん。こっちだ‼︎」
マッスルが走り出した。
直人も足を魔力強化で追走したがマッスルが早すぎた。マッスルは木や枝の全てを避けずに真っ直ぐ走っていたため、直人は平地になった道を走るだけで良いはずなのについていけなかった。
直人はマッスルにまだまだ敵わないことを実感しながらマッスルの破壊していった道を走り始めた。
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マッスルは先ほどの女性の叫び声の方向に全力で走っていた。後方を見ると離れてはいるが直人が付いてきている。
どうやら近くに誰かが住み着いているみたいだ。女性の叫び声の後に男の声と殴った音が聞こえたのでおそらく盗賊か何かでは無いかとマッスルは予想していた。その予想は的中していたようだ。
マッスルの目の前には洞窟があり、洞窟の前には監視をしている男が二人いた。
洞窟の中からは5人の女性の泣き声や抵抗する声が聞こえ、10人の男の声が聞こえる。男達は全員武器を装備しているようだ。
「やっと追いついた。見つかったか?」
マッスルは肩で息をする直人の質問に口に指を当て洞窟に視線を送る。直人は洞窟を見て理解したようでマッスルの隣に身を屈めた。
洞窟から少し距離を離しマッスルは直人に洞窟の中にいる人数及びその中に捕まっている人がいる事を伝えた。
「盗賊だけなら適当に突っ込んでも大丈夫だけど、人質を取られると厳しいな。」
「何かいい方法ないか?」
「無いこともないがな」
マッスルはニヤッと笑みを浮かべながらある物を取り出した。
直人はそれを見ると同じような笑みを浮かべた。
『クククククク』
そして、二人は暗くなるのを待った。




